マカオ、火災で損傷の世界遺産・媽閣廟正殿が10月にも一般公開再開へ

大航海時代以来、東洋と西洋を結ぶ貿易港として栄えたマカオ。東西文化が見事に融合したエキゾチックな町並みが残るマカオ半島中心部の旧市街(歴史市街地区)にはユネスコ世界文化遺産リストに登録された建築物と広場が30ヵ所も存在する。

このうちのひとつ、マカオ半島南西部に位置する媽閣廟の正殿にあたる正覚禅林で今年(2016年)2月10日未明に照明器具のショートが原因とみられる火災が発生。堂内の広い範囲が燃え、激しい損傷が確認された。媽閣廟は4つの堂で構成されるが、火災のあった正覚禅林は現在まで一般公開の中止が続いている。

媽閣廟慈善協議会は4月27日に記者会見を行った際、これまでの3ヶ月間、マカオ政府文化局、消防局とともに修復に関するミーティングを続けてきたとし、目下、文化局及びエンジニアによる内部構造安全性チェックの結果待ちの段階にあることを明らかにした。今後、安全確認が取れ次第、すぐに修復作業に着手することができ、作業は2〜3ヶ月程度で完了するとのこと。一般公開の再開時期については、最短で今年10月を目指しているという。なお、修復にあたり、最新の防火塗料を使用するなどし、火災発生リスクを低減したい考え。

媽閣廟正覚禅林は漁業や航海の女神として信仰集める媽祖(天后)祀っている。例年、旧暦3月23日(4月29日)には伝統行事の媽祖聖誕祭が行われているが、今年については規模を縮小せざるを得ないという。

火災の影響で激しい損傷を受けた媽閣廟正覚禅林を視察するマカオ政府社会文化庁のアレクシス・タム長官ら関係者一行=2月10日(写真:ICM)

火災の影響で激しい損傷を受けた媽閣廟正覚禅林を視察するマカオ政府社会文化庁のアレクシス・タム長官ら関係者一行=2月10日(写真:ICM)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府衛生局は4月23日夜、マカオで「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌のひとつ、ビブリオ・バ…
  2.  このほどマカオ政府財政局が公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2024年)1〜3月累計の歳…
  3.  今年(2024年)6月23日から7月3日にかけて、マカオでISF(国際学校スポーツ連盟)「ワール…
  4.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)グランドリスボアパレス(上葡京)で4月22日、世界…
  5.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社は4月22日、マカオ特別行政区の成立25周…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun