マカオの10月ホテル客室稼働率83.5%…5ヶ月連続昨対上回る=相次ぐ大型IR開幕で供給増も需要喚起策奏功

マカオは人口65万人、面積30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

昨年(2015年)通期の訪マカオ外客数は延べ(以下同)3071万4628人となり、前年から2.5%減だったものの3000万人の大台を2年連続突破した。今年10月の訪マカオ旅客数は前年同月から1.6%増の267.8万人で、宿泊を伴う旅客が12.1%増の137.1万人に上った。

マカオ政府統計調査局が11月30日に公表した最新統計によれば、今年10月の平均ホテル客室稼働率(簡易宿泊施設に相当するペンサオンを含む、以下同)は前年同月から2.5ポイント、前月から1.4ポイントのそれぞれ上昇となる83.5%だった。

今年10月のホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から2.3ポイント上昇の83.9%、4つ星が4.9ポイント上昇の87.9%、3つ星が0.8ポイント下落の79.4%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が9.1%、4つ星ホテルが横ばい、3つ星ホテルが116.8%のそれぞれ増だった点も考慮する必要がある。3つ星ホテルが急増した理由については、今年9月13日に客室供給数3000室規模を誇る大型IR、パリジャンマカオがオープンしたことによる。

今年10月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から3軒増の107軒、供給客室数は同14.6%増の3.62万室あり、このうち5つ星ホテルが2軒増の32軒で、供給客室数は全体の59.9%を占める2.17万室。

今年10月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比20.9%増の108.4万人。内訳は中国本土旅客が18.6%増の69.5万人、香港旅客が31.9%増の15.4万人、台湾旅客が32.8%増の3.9万人、韓国旅客が42.7%増の2.5万人、日本旅客が7.2%増の1.4万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から0.1日マイナスの1.4日。

今年1〜10月の累計ホテル宿泊客数は前年同期比13.5%増の965.2万人、平均ホテル客室稼働率は1.4ポイント上昇の81.5%、ホテル宿泊客の平均滞在滞在時間は0.1日マイナスの1.4日。

昨今、マカオでは宿泊を伴う旅客が増加する一方、相次ぐ新ホテル開業による供給客室数の急増により今年5月まで15ヶ月連続で客室稼働率が下落していた。こういった状況の中、客室数の多い大型IR併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったためとみられ、初夏以降の客室稼働率はは再び上昇に転じている。

マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室超に達する見込み。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2016年5月ー本紙撮影

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2016年5月ー本紙撮影

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