マカオの1月ホテル客室稼働率81.6%=相次ぐ大型IR開幕で供給増も8ヶ月連続昨対上回る

マカオは人口約65万人、面積約30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

昨年(2016年)通期の訪マカオ外客数は前年から0.8%増の延べ(以下同)3095万0336人となり、3000万人の大台を3年連続突破した。また、今年1月の訪マカオ旅客数は前年同月から17.6%増の287.6万人で、宿泊を伴う旅客が18.9%増の136.3万人に上った。

マカオ政府統計調査局が2月28日に公表した最新統計によれば、今年1月の平均ホテル客室稼働率(簡易宿泊施設に相当するペンサオンを含む、以下同)は前年同月から4.4ポイント上昇、前月から8.1ポイント下落となる81.6%だった。対前年の客室稼働率の上昇は8ヶ月連続。

今年1月のホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から5.0ポイント上昇の83.5%、4つ星が3.4ポイント上昇の82.3%、3つ星が3.8ポイント上昇の78.1%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が6.6%増、4つ星ホテルが横ばい、3つ星ホテルが116.7%増だった点も考慮する必要がある。3つ星ホテルが急増した理由については、昨年9月13日に客室供給数3000室規模を誇る大型IR、パリジャンマカオがオープンしたことによる。

今年1月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から1軒増の107軒、供給客室数は同12.9%増の3.63万室あり、このうち5つ星ホテルが32軒で、供給客室数は全体の60.1%を占める2.18万室。

今年1月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比15.6%増の104.1万人。内訳は中国本土旅客が17.1%増の67.9万人、香港旅客が12.9%増の12.7万人、台湾旅客が1.3%減の4.0万人、韓国旅客が22.5%増の3.8万人、日本旅客が1.0%減の1.7万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から横ばいの1.4日。

今年1月の特殊要因として、春節(旧正月)が1月28日だったことが挙げられる。前年は2月だった。

昨今、マカオでは宿泊を伴う旅客が増加する一方、相次ぐ新ホテル開業による供給客室数の急増により昨年5月まで15ヶ月連続で客室稼働率が下落していた。こういった状況の中、客室数の多い大型IR併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったためとみられ、初夏以降の客室稼働率は再び上昇に転じている。

マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室超に達する見込み。

マカオ旧市街にある世界遺産・セナド広場で開催された春節イベントの様子=1月28日(写真:MGTO)

マカオ旧市街にある世界遺産・セナド広場で開催された春節イベントの様子=1月28日(写真:MGTO)

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