マカオの4月ホテル客室稼働率86.1%=相次ぐ大型IR開幕で供給増も11ヶ月連続昨対上回る

マカオは人口約65万人、面積約30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

昨年(2016年)通期の訪マカオ外客数は前年から0.8%増の延べ(以下同)3095万0336人となり、3000万人の大台を3年連続突破した。また、今年4月の訪マカオ旅客数は前年同月から11.0%増の274万2799人で、宿泊を伴う旅客が17.7%増の144万1162人に上った。

かつて、訪マカオ旅客の大半が日帰りだったが、宿泊を伴う旅客は4月まで21ヶ月連続で対前年増となっている。昨年6月から今年4月までの間、今年1、2月を除いて宿泊を伴う旅客が日帰り旅客の数を上回っている。

マカオ政府統計調査局が5月31日に公表した最新統計によれば、今年4月の平均ホテル客室稼働率(簡易宿泊施設に相当するペンサオンを含む、以下同)は前年同月から6.4ポイント、前月から3.4ポイントのそれぞれ上昇となる86.1%だった。対前年の客室稼働率の上昇は11ヶ月連続。

今年4月のホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から6.5ポイント上昇の85.8%、4つ星が6.1ポイント上昇の89.8%、3つ星が2.4ポイント上昇の86.2%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が7.5%増、4つ星ホテルが横ばい、3つ星ホテルが116.7%増だった点も考慮する必要がある。3つ星ホテルが急増した理由については、昨年9月13日に客室供給数3000室規模を誇る大型IR、パリジャンマカオがオープンしたことによる。

今年4月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から1軒増の107軒、供給客室数は同13.4%増の3.65万室あり、このうち5つ星ホテルが32軒で、供給客室数は全体の60.3%を占める2.20万室。

今年4月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比17.3%増の108.3万人。内訳は中国本土旅客が10.4%増の67.8万人、香港旅客が44.6%減の16.8万人、台湾旅客が6.2%増の4.1万人、韓国旅客が94.1%増の3.7万人、日本旅客が0.5%減の1.2万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から0.1日増の1.4日。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

今年1〜4月累計のマカオのホテル宿泊客数は前年の同じ時期から14.6%増の412.9万人、平均客室稼働率は5.5ポイント上昇の83.8%、平均滞在時間は横ばいの1.4日、訪マカオ旅客全体に占めるホテル宿泊客の割合は0.7ポイント上昇の72.4%。

昨今、マカオでは宿泊を伴う旅客が増加する一方、相次ぐ新ホテル開業による供給客室数の急増により昨年5月まで15ヶ月連続で客室稼働率が下落していた。こういった状況の中、客室数の多い大型IR併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったためとみられ、初夏以降の客室稼働率は再び上昇に転じている。

マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室超に達する見込み。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2016年5月ー本紙撮影

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2016年5月ー本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)グランドリスボアパレス(上葡京)で4月22日、世界…
  2.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社は4月22日、マカオ特別行政区の成立25周…
  3.  マカオ政府統計センサス局(DSEC)は4月22日、今年(2024年)3月及び1〜3月累計の訪マカ…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオ治安警察局は4月21日、自動車の運転者と歩行者の安全を確保するため、マカオ域内の各所でキッ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun