香港、新型コロナ市中感染確認45日連続ゼロ…輸入性は4人、9月中のワクチン接種率7割達成ならず=10/1

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、目立ったリバウンドはなく、落ち着いた状況が続いている。

 香港政府の発表によれば、10月1日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は4人とのこと。すべて輸入性(海外からの入境者)のケースで、市中感染確認例に限ると45日連続ゼロを維持した。

 患者4人は、フィリピン(3人)、パキスタン(1人)から香港へ到着した26〜77歳の男女。全員新型コロナワクチン接種済みで、3人がL452R変異株感染だったとのこと。残る1人については変異株感染の有無を調べる検査の結果待ち。

 香港では、8月末から香港行き航空機搭乗前の陰性証明の取得、ワクチン接種完了、到着後に指定の検疫用ホテルで21日間の隔離検疫を受けることなどの条件でフィリピン及びインドネシアからの主にホームペヘルパー職の受け入れが再開となった。両国から香港へ到着した後に感染確認される例が9月3日以降に相次いで出現している。

 翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は10人以下という。

 香港における過去14日間(9月17〜30日)累計の新規感染確認は68人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2222人(擬似事案1人含む)。

 香港の9月30日午後8時時点のワクチン接種率は66.7%(1回目の接種完了)、62.1%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は867万6555回、1日あたり接種回数は3万0121回(7日移動平均値2万8928回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、近日は接種回数が落ち込む日もあり、9月中の達成はならなかった。

 このほか、香港衛生当局は1日、外地における香港在住者の感染確認例1件について調査中であることを明らかにした。該当者は香港・ランタオ島の東湧に居住する貨物便クルーの男性で、9月28日に香港航空HX2017便で香港からオーストラリアへ向かい、同日現地到着後に受けた検査結果が陽性だったという。なお、患者が香港出発前の27日に香港で受けたPCR検査結果は陰性、3月と4月に香港で新型コロナワクチンを2回接種済みだったとのこと。潜伏期間中に香港滞在歴があることから、患者の香港の立ち寄り先周辺を強制ウイルス検査の対象とされた。

 香港衛生当局では、近日の輸入性感染確認例のうち、ワクチン接種を完了している患者も少なくないとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)及び外地における不必要な大型集会やイベントへの参加を控えるとともに、外地滞在中はマスクの着用し続け、個人・環境衛生管理に努めるよう呼びかけている。

新型コロナウイルスワクチン接種ステーションを視察する香港食品衛生局の陳肇始(ソフィア・チャン)局長=2021年9月30日、クイーン・メアリー病院内(写真:news.gov.hk)

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