マカオの新規住宅ローン承認額が2ヶ月連続下落に…2025年8月
- 2025/10/17 9:09
- 産業・経済
マカオ金融管理局が10月15日に公表した今年(2025年)8月の住宅及び商業物件向けローン関連統計によれば、対前月の新規ローン承認額は住宅不動産向けが2ヶ月連続下落、商業不動産向けは3ヶ月ぶりに上昇に転じたとのこと。
今年8月の新規住宅ローン貸付承認総額は前月から22.2%下落の8.2億パタカ(日本円換算:約154億円)。このうち、マカオ居民(=マカオ居民IDカード保有者)向けが22.5%下落の8.1億パタカ(約152億円)で、全体の98.2%を占めた。非居民向けについても3.1%下落の1500万パタカ(約2.8億円)に。直近3ヶ月でみると、今年6〜8月の新規住宅ローン貸付承認額の月次平均値は9.8億パタカ(約184億円)で、今年5〜7月との比較で4.1%減。
新規商業物件向けローン貸付承認額は前月のベースが低かったことから301.8%増の11.4億パタカ(約215億円)。このうちマカオ居民向けが125.5%上昇の6.2億パタカ(約117億円)で、全体の54.1%を占めた。非居民向けも5.2億パタカ(約98億円)まで増。直近3ヶ月でみると、今年6〜8月の月次平均値は11.0億パタカ(約207億円)で、今年5〜7月との比較で20.8%上昇。
今年8月末時点の住宅ローン融資残高は前月から0.6%減、前年同月から5.9%減となる2098.6億パタカ(約3兆9488億円)。マカオ居民が占める割合は96.7%。マカオ居民向けの住宅ローン融資残高は前月から0.6%下落、非居民向けについても0.8%下落。
商業物件向けローン融資残高は前月から1.3%下落、前年同月から6.2%減となる1435.4億パタカ(約2兆8872億円)。マカオ居民が占める割合は91.4%。商業物件ローン融資残高は前月からマカオ居民向けが1.3%下落、非居民向けについても2.0%下落。
今年8月末の住宅ローン延滞率は3.8%で、前月から0.1ポイント上昇、前年同月から0.5ポイント下落。商業物件向けローン延滞率は5.5%で、前月から0.1ポイント上昇、前年同月から1.6ポイント上昇。住宅ローン延滞率は昨年の年初から上昇が続き、10月から11月にかけて一旦下落したものの、12月から再び上昇に転じ、2月以降はほぼ横ばいで推移している。
マカオでは一昨年1月初旬のウィズコロナ転換を機にインバウンド市場の回復が進み、経済波及効果が期待されていたが、不動産市場については高金利が続く状況と経済の先行き不透明感といった懸念材料も存在し、取引件数・平均平米単価とも振るわない状況が続いている。昨年の年初からは不動産価格抑制策の一部緩和もスタートし、同年4月20日から不動産価格加熱抑制策が全面撤廃されるに至った。






















