香港・マカオ版「iPhone17」1ヶ月使用レビュー…日本版との違いや進化を感じた点まとめ

 前月(9月)19日、マカオでも米アップル社のiPhone17シリーズをはじめとする多くの新製品が発売となった。

 現在、マカオで販売されているiPhone17シリーズ(Airを除く)は香港と共通のモデル(いわゆる香港・マカオ版)で、デュアルSIMの構成が「物理SIM+eSIM」となっており、日本版が「eSIMx2」であることから、差異がわかりやすく、日本のファンからも大きく注目された。

 マカオ在住の記者は現地でiPhone17シリーズの発売後すぐ、iPhone15からiPhone17(モデルA3520)への機種変更を行った。今回、およそ1ヶ月の使用経験を踏まえたレビューをまとめてみたい。

マカオのアップルストア・コタイストリップ店に並ぶiPhone17シリーズの実機=2025年9月本紙撮影

 まず、機種変更にあたり、SIMカードの入れ替えのみで済み、スムーズに新機種を使い始めることができた香港マカオ版のiPhone17にSIMカードスロットが付いているおかげといえよう。

 せっかくデュアルSIMに対応しているので、機能を試してみるべく、副回線として香港のプリペイドSIMを入れてみることにした。この場合、香港のプリペイドSIMが物理SIMになるため、主回線マカオのSIMをeSIMにする必要が生じる。記者が契約しているキャリアはマカオ最大手のCTM(澳門電訊)だが、同社は公式アプリでセルフ切り替えできるサービスを用意しており、ガイダンスに沿って手続きを進めるとメールでQRコードが届き、これをスキャンするだけで速やかに開通させることができた。なお、同社はプリペイドSIMでもeSIMサービスを展開しており、マカオ・香港・広東省をカバーするインバウンド向けのデータプラン等をラインナップしている。マカオに関しては、eSIMのみの日本版iPhone17シリーズを持参した場合も安心だ。

記者が利用する香港・マカオ版のiPhone17とそのSIMカードスロット=2025年9月本紙撮影

 記者の場合、どちらも無印のiPhone15からiPhone17への機種変更のため、機能比較がしやすかった。機種変更して最も良かったと感じたのが、超広角カメラ(0.5倍)の画素数が12MPから48MPに強化された点だ。取材等でホテル客室やレストランの店内、また統合型リゾート(IR)など大きい建造物を撮影する機会が多く、超広角を多用しているが、以前の機種と比較して画質が大きく向上し、業務でも十分使えるレベルとなった。処理チップのバージョンアップやイメージセンサーの改良等により、1倍、2倍で撮影した風景や料理の写真もより美しく仕上がり、15→17の2世代を跨ぐ進化を実感できる。ほかにも、フロントカメラの画素数アップやデュアルキャプチャといった機能向上も図られている。なお、無印モデルのため光学ズーム(望遠)は2倍までに限られるものの、機種変更前のモデルも同様だったため、特に不便は感じていない。

 もうひとつ、地味に便利と感じたのが、ディスプレイの「常時表示」機能。iPhone17では無印モデルでも対応となり、ロック解除前の動作をひとつ省くことができる。ディスプレイ関連では、最大120HzのProMotionテクノロジーに対応し、より滑らかな表示やスクロールを実現している。

 ほかにも、新機能や性能向上は随所にみられ、知らず知らずのうちに利用体験の向上につながっているはずだ。

 実はマカオにもアップルストアが複数存在する。コタイ地区の統合型リゾート(IR)ロンドナーマカオに併設するコタイストリップ店が旗艦店で、デモ機の台数も豊富だ。日本版にはないSIMカードスロットの位置など、香港マカオ版のiPhone17との違いを実機でチェックすることもできる。

IRロンドナーマカオ内にあるアップルストア・コタイストリップ店=2025年9月本紙撮影

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