マカオの衛星カジノ施設「ワルドカジノ」が10月31日でクローズに…「グランドエンペラーカジノ」も30日まで

 去る6月初旬、マカオのいわゆる「衛星カジノ」11軒(※)とスロット専門カジノ「モカクラブ」6店のうち3店が(2025)年末までにクローズすることが発表された。

 衛星カジノとは、マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ事業者の所有ではない物件内(主にマカオ半島新口岸地区の中小規模のホテル内)にあり、フランチャイズのような契約形態で運営されるカジノ施設を指す。

 2023年1月1日に施行された改正娯楽場幸運博彩経営法律制度(通称「新カジノ法」)の規定により、カジノ施設はコンセッション事業者の所有する物件内に設置することが必須となったが、従来の形態で衛星カジノを運営できる過渡期が3年間(2025年12月31日まで)設けられ、以降に継続する場合は管理会社方式を採用し、衛星カジノオーナーは管理会社としてコンセッション事業者から施設の清掃や警備等に関する管理費のみを受け取れるが、カジノ運営に一切関与できず、いかなる方式でのレベニューシェアやコミッションの受け取りもできないとされた。2022年にかけて法改正手続きが進む中、もともと約20軒あった衛星カジノのうち一部が相次ぎクローズし、現在まで存続しているのは9軒を残すのみに。

 マカオのカジノ経営コンセッション事業者のひとつ、ギャラクシーエンターテインメントグループは10月27日にプレスリリースを発出し、傘下のギャラクシーカジノ社が運営する衛星カジノ施設「ワルドカジノ(華都娛樂場/Waldo Casino)」について、同月31日23時59分をもってクローズすることを明らかにした。

 過渡期の満期である年末を待たずに早じまいするかたちとなるが、同社によれば、ビジネス上の考慮に基づく判断で、政府による承認を経て決定に至ったとし、同施設に割り当てられていたゲーミング(カジノ)テーブルはグループの他のカジノに再配置するとのこと。

 また、同施設のマカオローカルの従業員については、雇用条件を維持した上、グループ傘下の他のカジノまたはノンゲーミング(非カジノ)範疇の業務に配置換えを行うとともに、新たな職場に適応するためのトレーニング機会等を提供するという。

 このほか、マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は27日、SJMリゾーツ社が運営する衛星カジノ施設「グランドエンペラーカジノ(英皇宮殿娛樂場/Grand Emperor Casino)」についても30日23時59分をもってクローズすることを明らかにした。

 衛星カジノをめぐっては、SJMリゾーツ社の「グランドビューカジノ(君怡娛樂場/Casino Grandview)」が7月30日いっぱい、メルコリゾーツ(マカオ)社の「グランドドラゴンカジノ」が9月22日いっぱいをもってそれぞれ早じまいしている。

※11軒(現9軒)のうち2軒は直営方式に転換することでコンセッション事業者(SJMリゾーツ社)が継続意向を示している)

ワルドカジノが入るワルドホテルの外観(資料)=2014年5月、マカオ半島新口岸地区にて本紙撮影

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