マカオのグランドエンペラーホテルが開業以来ロビーに展示の金塊78個を売却…20年で約10倍値上がり

 近日、金(ゴールド)価格が急騰し、前月(2026年1月)末に史上最高値を更新した。その後は続落が続く状況だが、依然として高値圏にあり、長期的に上昇傾向が続いている。

 金価格に大きな注目が集まった前月下旬、マカオのグランドエンペラーホテル(英皇娯楽酒店)のロビーの床に展示されていた78個の金塊が消えたことがSNS等で拡散され、ホテル側からはっきりとしたアナウンスがなかったことから、さまざまな憶測を呼んだ。

 同ホテルは2006年に開業。カジノを併設する英国の宮殿をテーマにした豪華絢爛な雰囲気の中規模ホテルで、メインロビーの床面に埋め込むかたちで展示された大量の金塊と、それを護衛する英国風の衛兵の存在がシンボルとなっていた。最近の動きとして、いわゆる「新カジノ法」の規定により、昨年(2025年)10月にカジノ施設が営業を終了したことが挙げられる。

 同ホテルを運営するエンペラーエンターテインメントホテル社は2月4日に公告を発出し、この金塊を売却したことが明らかとなった。

 公告の内容によれば、同社の香港・マカオでホテルサービスを展開する非全額出資子会社がヘレウス社の完全子会社に対して9970万香港ドル(日本円換算:約20億円)で売却したとのこと。金塊は2025年9月30日時点で原価計上され、簿価は940万香港ドル(約1.9億円)であり、売却益は約9020万香港ドル(約18億円)、20年間で約10倍値上がりしたことになる。

 同社は公告の中で、過去20年にわたってカジノ併設ホテルの豪華で華やかな雰囲気を醸成し、またブランドイメージを向上させるため、多くの金塊をロビーに敷き詰め、多くの人流を集めてきたが、カジノ施設の営業が終了したことを受け、他のエンターテインメント・レジャー要素の導入を計画する中、金塊が今後のホテルのテーマと関連性がなくなったこと、さらに現在の市況及び貴金属の市場価格が高値圏にあり、警備・保険費用の削減にもつながることを踏まえ、売却を決断するに至ったと説明。資金は再投資に充当される可能性もあるとした。

グランドエンペラーホテル外観(資料)=2024年7月、マカオ半島南灣地区にて本紙撮影

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