中国広東省で治療受けていた韓国人MERS感染者が退院、帰国=約1ヶ月ぶり

先月(5月)末、44歳の韓国人の男性がMERS感染疑いを隠して韓国から香港経由で中国・広東省へ渡航し、その後、体調を不良を訴えて搬送された現地の病院が実施した検査で感染が確定した事件は記憶に新しい。この男性は、広東省恵州市の医療機関で入院治療を受けてきたが、6月26日に退院し、同日帰国したという。

マカオの日刊紙「澳門日報」が6月27日付紙面で報じた内容によると、広東省衛生・計画生育局が26日、この韓国人男性キム氏について、10日以上発熱や臨床症状が見受けられなかったことから、同日退院し、帰国したことを明らかにしたという。

同局では、直近1週間から10日間で実施した血液、痰、糞便検査の結果、キム氏の体内にMERSウイルスは見当たらないとしたが、肺に軽度の炎症が見受けられるため、退院後も継続治療が必要であるとしている。

退院時、キム氏は微笑みを絶やさず、精神状態も良好の様子だったとのこと。駐広州韓国総領事館は、中国側が積極的に患者の治療に当たった対して感謝の意を表明したという。

なお、キム氏の治療及び同氏の密接接触者、医療スタッフの防疫対策に多額の費用がかかったとされる点について、恵州市政府がおよそ800万人民元(日本円換算:約1億5960万円)をあてがったといい、キム氏本人負担はそれほど高額ではなかったとのこと。

中国のネット上では、対処費用を中国側が肩代わりすることになったことについて、患者本人の自己責任及び韓国政府の防疫体制の不備を指摘する意見も多く見受けられる。

MERSに感染した44歳韓国人男性が広東省へ移動する際に経由した香港国際空港(資料)—本紙撮影

MERSに感染した44歳韓国人男性が広東省へ移動する際に経由した香港国際空港(資料)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  3.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  4.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  5.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun