米紙、中国当局のマカオカジノ業界監視強化報じる

米紙「ウォールストリート」が現地時間4日付紙面で中国政府がマカオのカジノ業界及びジャンケットオペレーターに対する監視を強化し、少なくとも3名のジャンケットオペレーター社員をマカオで拘束し、一部を本土へ移送したと報道。

これまでに、複数の欧米メディアが元重慶市委書記薄熙来氏によるマカオでのマネーロンダリング疑惑を報道。カジノ景気の裏で中国富裕層によるジャンケットオペレーターを利用した高額賭博を通じたマネーロンダリングによる資金の海外移転が横行している等と報じている。

また、「ウォールストリートジャーナル」では、カジノ運営会社上層部等の話として、中国当局がマカオから本土への越境資金について制限をかけるよう申し入れをした、マカオの警察部門からホテル宿泊名簿の提出を求められたとのコメントも報じている。中国本土居民が毎年域外に持ち出せる金額は5万米ドル以内と規定されていることから、一部の富裕層がこの規制の抜け穴としてジャンケットオペレーターを利用して多額の資金を洗浄、海外移転していると問題視している。

この件について、6日付のマカオの有力紙「澳門日報」では、マカオ政府経済財政司司長譚伯源氏、司法警察当局者がともに「いかなる情報もない」と語ったと報じている。マカオ司法警察局スポークスマンは、法律に基づいて中国公安がマカオにおける執法権がないことを強調し、中国当局を含む外地の執法機関がマカオでマネーロンダリング事案を調査する際、必ず法律の許可の下、マカオ司法警察局が協力するものとしている。

ゲーミングテーブル(写真はイメージ)―本紙撮影

ゲーミングテーブル(写真はイメージ)―本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  アフターコロナ初年となったマカオの昨年(2023年)通期のカジノ売上(粗収益、Gross Gam…
  2.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)ギャラクシーマカオのイーストスクエアで4月24日、…
  3.  マカオ治安警察局は4月24日、同月22日に路線バスの車内で乗り合わせていた20代の女性の臀部に下…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月24日、マカオ半島新口岸地区にあるマカオグランプリ博物館でレゴ…
  5.  マカオ政府衛生局は4月23日夜、マカオで「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌のひとつ、ビブリオ・バ…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun