マカオの中学生3500人が中国人民解放軍キャンプ参加=愛国教育の一環、抗日戦勝70周年要素も盛り込む

今年で8年目を迎えるマカオの中学2年生を対象とした「国防教育キャンプ」が9月21日から中国広東省中山市にある中国人民解放軍国防教育訓練基地でスタートした。2016年5月まで、5泊6日のプログラムを複数回に分けて開催する。

国防教育キャンプはマカオ政府教育・青年局が主催、マカオスカウト総会の協力の下、愛国情緒の増進を目的に実施されているもので、座学の国防教育のほか、行進、体育、軍事技能、救命、自己管理などを通じ、学生の国家及び人民解放軍への理解、国防意識と規律の向上、精神の鍛練など図るというもの。

なお、今年は中国の「抗(日)戦(争)勝利70周年」にあたることから、中国近代史への理解を深める抗戦勝利70周年講座が追加されるとのこと。

9月25日に教育・青年局が発表したプレスリリースによると、国防教育キャンプのこれまでの累計参加学生数は2万8000人超、今年度はマカオの29の学校から3500人の学生が参加を予定しているという。

中国人民解放軍は1997年7月1日の香港返還、1999年12月20日のマカオ返還を機にそれぞれ当地へ進駐している。人民解放軍の香港・マカオへの進駐について、住民の受け止め方はそれぞれだが、日常生活の中で人民解放軍の存在を意識することはほとんどないというのが現状。駐屯地の一般開放イベント、青少年向けキャンプ、公益活動等を通じ、しばしば地元住民との交流の機会が持たれている。

なお、中華人民共和国兵役法は香港・マカオを対象外としており、香港・マカオ居留権保有者は中国籍であっても人民解放軍に入隊することはできない。

中国人民解放軍国防教育訓練基地で開催された「国防教育キャンプ」で抗戦70周年講座を受講するマカオの中学生ら(写真:DSEJ)

中国人民解放軍国防教育訓練基地で開催された「国防教育キャンプ」で抗戦70周年講座を受講するマカオの中学生ら(写真:DSEJ)


「国防教育キャンプ」に参加したマカオの中学生ら(写真:DSEJ)

「国防教育キャンプ」に参加したマカオの中学生ら(写真:DSEJ)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  2.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  3.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  5.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun