マカオのカジノ王、私財310億円投じ世界文明賞を創設

香港の大手ゼネコン嘉華インターナショナルグループ会長、マカオで大型IR(統合型リゾート)ギャラクシーマカオなどを運営するカジノ大手ギャラクシーエンターテインメントグループ会長を務める呂志和氏(86)が私財20億香港ドル(日本円換算:約310億円)を投じて「世界文明賞」を創設。9月24日に記念セレモニーが開催された。

世界文明賞は「世界資源の持続的発展の促進」、「社会福祉の促進」、「積極的で前向きな人生観の推進及びポジティブエネルギーの強化」の3分野において傑出した功績を収めた人を受賞対象としているとのこと。第1回の受賞者発表は来年(2016年)下半期を予定しており、各部門の受賞者には2000万香港ドル(約3億1000万円)の賞金が授与されるという。なお、選考にあたって民族、宗教、国籍は一切不問で、学者だけでなく各分野のプロフェッショナルも対象になりうるとのこと。

記念セレモニーでスピーチを行った呂志和氏は、第1回の選考について、世界の食料供給、伝染病や慢性疾患といった医学及び疫学分野に関心を抱いているとし、毎年異なる分野に着目することになるだろうと語っている。

呂志和氏はフォーブス誌が毎年発表する香港長者番付で上位の常連となっており、近年ではマカオのカジノ関係者の中でトップの資産量を誇る人物。第二次世界大戦後、沖縄から建築資材や車輌といった米軍の余剰物資を香港へ輸入して財を成し、今日に至るビジネス基盤を作ったとされる。

「呂志和賞 - 世界文明賞」創設セレモニー。写真右から3人目が呂志和氏=9月24日、香港(写真:news.gov.hk)

「呂志和賞 – 世界文明賞」創設セレモニー。写真右から3人目が呂志和氏=9月24日、香港(写真:news.gov.hk)

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