香港とマカオ結ぶ夢の架け橋、完成時期17年末にずれ込む見通し=当初計画は16年内

中国が国家プロジェクトとして推進している香港とマカオ、広東省珠海市の三地をつなぐ「港珠澳大橋(ホンコン・ジュハイ・マカオ・ブリッジ)」について、当初2016年中の完成及び開通が予定されていたが、完成時期が2017年末までずれ込み見通しであることが分かった。

香港高速道路局が11月26日に明らかにした内容によると、大規模かつ複雑な難工事である上、建築資材及び作業員の不足、空港及び環境保護に関する制約などを遅延の要因として挙げている。なお、今回の発表では開通予定時期についての言及はなかったが、これをフォローするかたちで香港運輸・住宅局のヤウ・シンムー(邱誠武)局長代行が11月27日にコメントを出し、マカオ及び珠海当局との調整会議を経て早ければ12月にも具体的な開通予定時期を示すことができるだろうとした。

港珠澳大橋は香港と珠海、マカオの間のY字型のルートおよそ50キロメートルを海上橋と海底トンネルで結ぶ大型インフラ整備プロジェクト。このうち、海底トンネルは6.7キロ分。もともと1980年代に夢の架け橋として構想され、香港・マカオが中国に返還された後、21世紀に入ってから「広東省と香港・マカオの一体化のシンボル」として実現に向けた準備が加速し、2009年に着工した。自動車専用道路で、鉄道用の設備はない。現在、香港とマカオの間を移動する際、高速フェリーで約1時間かかるが、大橋の開通後は車で約30分程度となり、大幅な所要時間短縮効果が見込まれている。

港珠澳大橋(資料)=2015年1月、香港国際空港付近の海上より本紙撮影

港珠澳大橋(資料)=2015年1月、香港国際空港付近の海上より本紙撮影

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