香港で物乞い行為…中国本土旅客の逮捕事案増える=15年1〜9月累計96件

香港特別行政府出入境事務處が2月1日に公表した資料で、昨年(2015年)の訪香港外客数は延べ5930万人、このうち77%にあたる4562万人が中国本土からの旅客だったことがわかった。

膨大な中国本土旅客による消費が人口およそ730万人の香港経済にもたらす恩恵が大きい一方で、マナーを逸脱した行動などによって香港社会でトラブルを引き起こす例も少なくない。

香港の日刊紙アップルデイリーが2月3日、香港保安局の黎棟國局長が香港立法会議員の質問に対して回答した書面の内容を元に報じた記事によると、香港で物乞い行為をしたとして逮捕される中国本土出身者の数が2011年の通年で88件だったが、昨年は1〜9月の累計で96件にまで増加したとのこと。事案の発生地点は香港島のセントラル、九龍のチムサァチョイ、モンコックといった繁華街が中心で、被疑者らはいずれも香港往来通行証と呼ばれる渡航証を使い「観光客」の身分で入境していたという。

なお、香港のパブリックスペースにおける物乞い行為は法律(香港法例第228章「簡易程序治罪条例」第26A条)に抵触するといい、最高量刑は初犯あるいは2回目の場合は過料500香港ドル(日本円換算:約7500円)及び禁錮1ヶ月、3回目以上の累犯の場合で過料500香港ドル及び禁錮12ヶ月とのこと。

香港の街角で物乞い行為を見かける機会はしばしばあり、今回公表された逮捕事案数は氷山の一角に過ぎないとの見方もある。香港警察当局は物乞い行為の実態調査を進め、個別案件の状況に応じて適切な対処を行う方針を示しているという。

香港島・セントラル地区のビル群(資料)—本紙撮影

香港島・セントラル地区のビル群(資料)—本紙撮影

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