マカオ当局、今年末までにドッグレースの存廃判断=アジアで唯一の存在

豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノ施設ばかりが目立つが、実はマカオには競馬、グレイハウンド犬を使ったドッグレース、サッカー及びバスケットボールを対象としたスポーツくじ、ロトといった各種合法ギャンブルも存在する。

このうち、ドッグレースについて、マカオ特別行政区政府と運営会社にあたるマカオ逸園カニドローム社との契約が今年(2016年)末で満期を迎える。

かつてマカオのギャンブルの花形として栄えたドッグレースだが、近年はファンの高齢化、売上の減少、施設の老朽化が進み、さらには動物愛護団体から虐待だとする指摘を受けるなど、存続の是非が活発に議論されるようになった。

実は、ドッグレースの運営契約は昨年末に満期を迎えていたが、マカオ政府が暫定的に1年間の延長を認めた上、学術調査などを経て1年以内に存続もしくは廃止の判断を下す方針を示していた。

マカオ半島北部にあるドッグレース場の入場ゲート(資料)-本紙撮影

マカオ半島北部にあるドッグレース場の入場ゲート(資料)-本紙撮影

マカオの政府系放送局TDMが6月29日午後のラジオニュースで報じた内容によれば、マカオのギャンブル監理当局にあたるDICJのパウロ・マルチンス・チャン局長が、すでにマカオ大学ゲーミング研究所に学術調査を委託していたドッグレースの存廃に関する研究報告書を受け取ったことを明らかにしたという。また、同局としても研究に着手しており、存続派、廃止派の双方の意見を考慮しつつ、年末の契約満期前に存廃の判断を発表するとのこと。

なお、昨年のドッグレース売上は1.45億パタカ(日本円換算:約19億円)で、カジノの3515.21億パタカ(4.6兆円)に遠く及ばない規模となっている。

マカオでドッグレースがスタートしたのは1932年のこと。1963年以降、マカオ逸園カニドローム社が独占経営している。なお、日本での知名度も高かったグアムのドッグレースが近年廃止になったことから、現在、アジア太平洋地域で合法ギャンブルとしてのドッグレースが存続するのはマカオのみとなっている。

ちなみに、マカオのドッグレースを運営するマカオ逸園カニドローム社はマカオカジノ最大手のSJMホールディングスやマカオジョッキークラブ(競馬)、マカオスロット(スポーツくじ)などを傘下に持つ総合観光・娯楽企業グループSTDM社(本社:マカオ)グループの一員。

マカオのドッグレース(資料)-本紙撮影

マカオのドッグレース(資料)-本紙撮影

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