マカオ初の和装写真館オープン=京都に魅了された若者らが創業

日本を代表する観光地として海外における抜群の知名度、人気を誇るのが京都だ。京都には和装写真館やレンタル衣装店が多数あり、訪日外国人による「変身」ニーズも利用も高まっているという。

大航海時代以来、マカオと日本は長い交流の歴史を持ち、親日の住民が多いエリアとして知られる。日本製のアニメや映画、ゲーム、和食、ファッション、自動車や電化製品などが広い世代の間で親しまれているほか、海外旅行先として日本を選ぶ人も多い。

マカオにおける日本ブームが続く中、昨日(6月25日)マカオ半島北部の黒沙環エリアに和装写真スタジオ「kyotography(京・撮影製作)」がオープンしたと聞き、取材に訪れた。

同スタジオでは、着物や浴衣といった和装による写真撮影のほか、市内の観光名所などに出かけて撮影を行うロケーションフォトサービス、和装のレンタルを手がける。地元マカオの若者3人が中心となって創業したという。

各種和装のチョイスが揃うkyotographyの店内=6月25日-本紙撮影

各種和装のチョイスが揃うkyotographyの店内=6月25日-本紙撮影

創業者のレヴィンさん、マヌエルさん、ヌーノさんに話を聞いたところ、いずれも日本のファンで、特に京都に複数回訪問し、日本の伝統文化である和装に魅了されたのだという。マカオ人は写真を撮るのも撮られるのも好きという土地柄で、市内には多くの写真館があるが、そのほとんどがウェディングフォト専門店で、和装を専門にしたものがないことから、マカオ初として存在感を示せるのではないかと考え、創業を決意したとのこと。

開業にあたり、初期投資の大半を着物、浴衣、和装小物などを日本から買い付けるのに充てたという。店内には女性用、男性用、キッズ用まで、真新しい衣装が多く揃っていた。マヌエルさんによれば、和服はきちんと着付けをしなければ美しく見えないため、技術を磨く必要があるとのこと。マカオ唯一の日系ホテルとなるホテルオークラマカオには、アンバサダーと呼ばれる和装の日本人女性スタッフがゲストの出迎えを担当しているが、日本に頻繁に行くとが難しいため、身近な参考事例として研究させてもらっているという。

同スタジオのターゲット顧客は地元マカオの若者とのこと。今後、エキジビション出展などを通じて知名度の向上を図り、ビジネスチャンスを拡大していきたいと意気込む。

東洋と西洋の建築が融合した独特のエキゾチックな雰囲気を持つフォトジェニックなマカオの街で、着物や浴衣を着た男女を見かける機会があるかもしれない。

地元マカオの若者3人が中心となって創業=6月25日-本紙撮影

地元マカオの若者3人が中心となって創業=6月25日-本紙撮影

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