マカオ・タイパヴィレッジの変化に注目=南欧風情残るエキゾチックなエリアに個性光るスポットが続々

マカオ・タイパヴィレッジにはポルトガル統治時代に建てられた南欧風の町並みが多く残り、エキゾチックかつレトロな雰囲気を感じることができる。

土産物店や老舗レストランが多く集まる古くからの人気観光地として知られ、平日でも多くの観光客で賑わうエリアだ。次々と新たなショップやレストランがオープンするなど、活性化も進んでいる。

有名ポルトガル料理店「アントニオ」(左の建物)の裏手にオープンしたギャラリー「アートスペース」(写真:Taipa Village Destination Limited)

有名ポルトガル料理店「アントニオ」(左の建物)の裏手にオープンしたギャラリー「アートスペース」(写真:Taipa Village Destination Limited)

今月(10月)5日、タイパヴィレッジの中央に位置する官也街(クーニャストリート)バス停のすぐ近く、ほとんどの観光ガイドブックに掲載されている有名ポルトガル料理店「アントニオ」の裏手にあたる路地に「アートスペース(藝術空間)」がオープンしたと聞き、取材に訪れた。

こちらのギャラリーをプロデュースするタイパヴィレッジ・デスティネーション社の広報担当者に話を聞いたところ、かつて民家だったという長屋の一角をギャラリーに転用したものとのこと。オープニング展として地元マカオ出身のグラフィティアーティスト、パット・ラム氏による初の個展「P.I.B.G.: On the Verde」を開催するという。建物側面と正面のペパーミントグリーンの壁に描かれているのも同氏の作品だそう。今後もローカルアーティストの作品を中心とした企画展の開催を計画しており、世界へ向けて発信していきたいとした。

壁面のグラフィティアートが印象的なギャラリー「アートスペース」(写真:Taipa Village Destination Limited)

壁面のグラフィティアートが印象的なギャラリー「アートスペース」(写真:Taipa Village Destination Limited)

タイパヴィレッジ・デスティネーション社は「サステイナブル・ヘリテイジ(持続可能な遺産)」を掲げ、タイパヴィレッジの歴史ある南欧風の建物をリノベーションしたレストランやショップの開発を手がけるディベロッパーで、前述の「アントニオ」の移転先の新店や、その隣のスペイン料理店「カーサ・デ・タパス」といった一軒家レストランといった昨今の同エリアの再開発案件の多くに関わっているという。古き良きタイパヴィレッジ独特の雰囲気の中に、付加価値の高い良質かつオシャレなダイニングや雑貨店、ギャラリーなどを誘致することでエリアとしての魅力を高め、日本を含む海外からの観光客、そして地元マカオ人にも愛される街づくりを目指しているとのこと。

近年、タイパヴィレッジに近いコタイ地区で大型IR(統合型リゾート)の開幕ラッシュが続いていることも追い風となり、人の流れも多くなってきているそうだ。これから年末にかけて、複数の新スポットがオープン予定とのことで、本紙としても引き続き変化を追いかけていきたい。

タイパヴィレッジからコタイ地区の大型IR「ギャラクシーマカオ」方向を望む。ペパーミントグリーンの壁に描かれたグラフィティアートは地元出身のパット・ラム氏の作品(写真:Taipa Village Destination Limited)

タイパヴィレッジからコタイ地区の大型IR「ギャラクシーマカオ」方向を望む。ペパーミントグリーンの壁に描かれたグラフィティアートは地元出身のパット・ラム氏の作品(写真:Taipa Village Destination Limited)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  3.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  4.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  5.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun