マカオカジノIR運営大手GEG、日本進出へ高い関心=日本企業との相互補完的協力も視野

昨年(2016年)末、日本において統合型リゾート施設(IR)整備推進法が施行となった。カジノ売上世界一を誇るマカオでも、日本のカジノ解禁に関するニュースは大きな注目を集めている。

マカオのカジノ経営ライセンスを保有する6陣営の一角、ギャラクシーエンターテイメントグループ(GEG)の呂志和会長は2月28日、同社の2016年度業績発表会に登壇した際、海外市場における潜在ビジネスチャンスの発掘に継続的に取り組んでおり、中でも日本市場を特別視していると述べた。

呂氏によれば、自身のファミリーは50年にわたって日本企業との協力、交流関係を持ち、日本には実力のある企業が複数あることも知っているとし、日本企業との相互補完的な合弁による進出の可能性も排除せず、GEGのカジノ業界における成功体験を以って日本に貢献したいとのこと。

GEGの旗艦施設、ギャラクシーマカオの俯瞰(資料)=マカオ・コタイ地区-本紙撮影

GEGの旗艦施設、ギャラクシーマカオの俯瞰(資料)=マカオ・コタイ地区-本紙撮影

GEGはマカオ半島新口岸地区で「スターワールドホテル」、コタイ地区で「ギャラクシーマカオ」及び「ブロードウェイマカオ」のIR(統合型リゾート)を運営するほか、「シティクラブ」ブランドの衛星カジノ施設を中小規模のホテル内にフランチャイズ展開している。

ちなみに、GEGは呂氏が一代で築いた不動産開発や建築資材をコア事業とするの嘉華グループを母体とし、第二次世界大戦後、沖縄で余剰物資を仕入れて香港で販売した際に得た利益が同社のスタートだったというエピソードが有名だ。以後、現在まで長きにわたり建材、セメントなどを日本から輸入しているほか、ギャラクシーマカオにマカオ唯一の日系ホテル「ホテルオークラマカオ」を誘致するなど、日本との縁も深い。また、呂氏は米フォーブス誌が毎年発表している香港長者番付の上位常連としても知られる。

ギャラクシーエンターテイメントグループの呂志和会長(資料)ー本紙撮影

ギャラクシーエンターテイメントグループの呂志和会長(資料)ー本紙撮影

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