港珠澳大橋、マカオ〜香港間のクロスボーダーバスは1日50本

中国が国家プロジェクトとして推進している香港と珠海(広東省)、マカオの三地をつなぐ「港珠澳大橋(ホンコン・ジュハイ・マカオ・ブリッジ)」の建設工事が佳境を迎えている。

港珠澳大橋は香港と珠海、マカオの間のY字型のルート、全長約55キロを複数の海上橋と海底トンネルで結ぶ世界最長の架橋計画の一つで、2009年に着工した。自動車専用道路(6車線)で、鉄道用の設備はない。

マカオ政府公報官事務所は12月20日、マカオ半島北東沖に埋め立て造成した人工島の上で建設を進める港珠澳大橋のマカオ側イミグレーション施設群について、昨年(2016年)12月の着工後、およそ一年かけて順調に作業が進んだ結果、ハード、ソフト面とも基本的に完成し、すでにテスト段階に入っていると発表した。

人工島は北側が珠海のイミグレーション施設群、南側がマカオ側イミグレーション施設群となる。マカオ側の敷地面積は71.6ヘクタール、延べ床面積は60万平米超で、6800台分の駐車場と2000台分のバイク駐輪場を併設する6階建ての旅客ターミナルビルのほか、4万平米の行政関連施設、20万平米の道路、トンネル、陸橋、マカオ新交通システム(マカオLRT用地)、市政インフラ施設などで構成される。総工費は100億マカオパタカ(日本円換算:約1400億円)。

また、橋を経由してマカオと香港の間を往来するバス、タクシー、貨物自動車、自家用車については、いずれも数量を限定する計画とのこと。このうち、クロスボーダーバスについては、1日50本とし、香港の運営会社に34本、マカオの運営会社に16本を割り当てることで合意が形成されたという。

港珠澳大橋のマカオ側イミグレーション施設群=2017年12月(写真:マカオ政府公報官事務所)

港珠澳大橋のマカオ側イミグレーション施設群=2017年12月(写真:マカオ政府公報官事務所)


建設中の港珠澳大橋。手前がマカオ側イミグレーション施設群の建つ人工島(資料)=2016年7月-本紙撮影

建設中の港珠澳大橋。手前がマカオ側イミグレーション施設群の建つ人工島(資料)=2016年7月-本紙撮影

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