中国本土からマカオへ密航の男、カジノ会員カード作成時に偽造身分証が発覚し御用…高利貸し犯罪で追放後もギャンブルのため密航繰り返す

マカオのカジノ施設で会員カード作成時に偽造身分証が使用したのがきっかけでマカオ追放歴があり、再渡航禁止期間中に複数回マカオへ密航していた中国本土出身の男(43)が逮捕された。

マカオ司法警察局が10月17日に発表した内容によれば、同月11日午後8時頃、被疑者がコタイ地区にあるカジノ施設の会員カードカウンターで香港身分証及びマカオ入境時に受け取る滞在期限などが書かれた入境申報表を提示して新規入会手続きをしていたところ、カウンターのスタッフが身分証に不審な点があることに気づいたという。被疑者は様子がおかしいのに気づき、提示書類を遺したまま現場から逃走したため、すぐにスタッフが警察に通報した。その後、警察が速やかに捜査に着手し、翌18日午前1時20分頃、被疑者の滞在先ホテルで身柄拘束に成功した。

被疑者は警察の調べに対し、違法な斡旋業者に1万6000人民元を支払い、密航及び偽造身分証や入境申報表の手配などを依頼した上、今年9月中旬にマカオへ密航したとし、偽造書類は会員カード入会手続きのほか、ホテルのチェックイン時にも使用したことを認めたとのこと。

なお、被疑者は2017年にマカオで高利貸し犯罪で逮捕され、追放処分を受けており、再渡航禁止期間中だったほか、今年3月にもマカオへ密航し、強制送還されていたことも判明したという。また、今回も警察で身元確認を行う際、書類に不正確な名前に記入したことから、警察は被疑者を文書偽造、身元詐称、密航などの疑いで送検する方針。

警察によれば、被疑者は何度も密航を繰り返してまでマカオへ渡航した理由について、ギャンブルにのめり込んでいたためと話しているとした。

マカオのカジノ施設の多くは、航空会社のマイレージ制度と似た会員プログラムを提供している。入会することで、テーブルゲームやスロット機での賭け金額等に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントをホテルの無料宿泊やフェリーチケット、家電製品などと交換することができる。また、賭け金が多い顧客はより高いレベルの会員へと移行し、特典が得られるという仕組み。

マカオ司法警察局(資料)—本紙撮影

マカオ司法警察局(資料)—本紙撮影

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