マカオの12月カジノ売上対前年2桁増も…大手金融機関予測=港珠澳大橋開通によるインバウンド旅客増が追い風

マカオ政府博彩監察協調局が12月1日に公表した最新データによれば、マカオの今年(2018年)1〜11月の累計カジノ売上は2763.78億マカオパタカ(日本円換算:約3兆7794億円)で、前年同期比13.7%増で推移。1ヶ月を残して昨年通期の売上を上回った。

12月については、10月24日に香港と珠海、マカオを結ぶ港珠澳大橋が開通したことを受け、クリスマスホリデー期間(22〜26日の5日間)のインバウンド旅客が前年同時期から15.2%増の約61万人超に達したとのデータもあり、カジノ売上にプラスの影響が及ぶと見られている。

このほど米系大手銀行バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチが発出したマカオのカジノ業界に関する最新レポートの中で、港珠澳大橋開通によるインパクトは大きく、マカオの旅行業者は12月のインバウンド旅客数が対前年2割増、クリスマスホリデー期間中の平均ホテル客室稼働率も8〜9割に達すると見込んでいることなど、インバウンドの好調を挙げた。また、12月のカジノ売上予測については前年同月から約8〜16%増、金額にして約245〜263億マカオパタカ(約3350〜3596億円)、1日平均約7.91〜8.49億マカオパタカ(約108〜116億円)の範囲とした。

その他の大手金融機関では、クレディ・スイスが約15〜17%増の約261〜266億マカオパタカ(約3569〜3638億円)、シティグループが約12.3%増の約255億マカオパタカ(約3487億円)、ユニオン・ゲーミング証券が約7%増の約242億マカオパタカ(3309億円)などと予測している。なお、今年の単月最高売上は10月の273.28億マカオパタカ(約3737億円)だった。

マカオの年間カジノ売上は21世紀に入って以降、2013年まで右肩上がりに上昇。ピークにあたる2013年の売上は3607.49億パタカ(約4兆9332億円)だった。2014年から2016年までの3年間は対前年マイナスが続いたが、2017年に4年ぶりに対前年プラスに転じた。今年通期のカジノ売上が3000億マカオパタカ(約4兆1025億円)の大台を突破すれば、2014年以来のこととなる。

【資料1】2018年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:262.60億マカオパタカ=約3591億円(36.4%増)
・2月:243.00億マカオパタカ=約3323億円(5.7%増)
・3月:259.50億マカオパタカ=約3549億円(22.2%増)
・4月:257.28億マカオパタカ=約3518億円(27.6%増)
・5月:254.89億マカオパタカ=約3486億円(12.1%増)
・6月:224.90億マカオパタカ=約3075億円(12.5%増)
・7月:253.27億マカオパタカ=約3463億円(10.3%増)
・8月:265.59億マカオパタカ=約3632億円(17.1%増)
・9月:219.52億マカオパタカ=約3002億円(2.8%増)
・10月:273.28億マカオパタカ=約3737億円(2.6%増)
・11月:249.95億マカオパタカ=約3417億円(8.5%増)
>1〜11月累計:2763.78億パタカ=約3兆7794億円(13.7%増)

【資料2】2013年〜2017年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億マカオパタカ=約4兆9332億円(18.6%増)
・2014年:3515.21億マカオパタカ=約4兆8070億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億マカオパタカ=約3兆1567億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億マカオパタカ=約3兆0524億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億マカオパタカ=約3兆6340億円(19.1%増)

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

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