マカオLRT鉄道タイパ線、今年下半期開業へ…マカオ半島への乗り入れは2024年頃見込み

マカオ初となる鉄道(軌道系大量輸送機関)として大きな期待がかかるマカオLRT(澳門軽軌)第1期プロジェクト。

マカオ半島北部の關閘から外港フェリーターミナル、新口岸、南灣湖を経由して媽閣に至るマカオ半島線、媽閣から西灣大橋を経てタイパ島に入り、コタイ地区を通ってマカオ国際空港、タイパフェリーターミナルに至るタイパ線の2線、21駅、21キロメートルで構成される。

このうち、タイパ線(9.3キロ、11駅)が2012年末に先行着工済みで、一昨年(2017年)11月から続々と日本からの車両の搬入が進められており、昨年(2018年)3月末から試運転も始まっている。

タイパ線の沿線には香港や広東省の深圳市などとの間を結ぶ高速船が発着するタイパフェリーターミナル、マカオ国際空港、広東省珠海市の横琴新区との陸路のボーダーにあたるコタイ・イミグレーションといった複数の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在する。

マカオ政府運輸インフラオフィス(GIT)は1月8日深夜に発出したプレスリリースの中で、マカオLRTタイパ線の開業時期について従来よりも一歩踏み込み、今年(2019年)下半期を予定していることを明らかにした。なお、運賃は政府が検討中とし、現時点では未確定とのこと。

また、タイパ線とマカオ半島線の乗り換え駅となるマカオ半島南部の媽閣駅については、2024年に工事が完了する予定で、以後、タイパ線のマカオ半島への乗り入れが可能となる見通しとした。タイパ線から分岐し、コロアン島の北部方面へ至る石排灣視線の建設工事に関する入札を今年第1四半期にも実施する予定という。

このほか、1月8日にGITがタイパ島・コロアン島のコミュニティサービス諮問委員会で明らかにした内容によれば、タイパ線の運行時間は朝6時から深夜1時を予定。列車は55編成体制で、2両編成または4両編成で運行するとし、1両あたりの乗客定員は100人程度とのこと。運行ダイヤは利用者数見込みに応じて今後決定するという。

なお、「本丸」といえるマカオ半島線については、ルート調整が難航するなど、現在まで本格着工に至っていない状況だ。

マカオLRT第1期プロジェクトは、国際入札を経て日本の三菱重工と伊藤忠商事の共同体が駅舎と土木工事を除くLRTシステム一式を46億8800万パタカ(日本円換算:約631億円)で受注しており、マカオの公共工事として日本企業が獲得した最大規模の案件としても注目されている。東京の「ゆりかもめ」と同タイプのクリスタルムーバー型の日本製列車(ゴムタイヤ、自動運転)がマカオの街を走る予定。

マカオLRTタイパ線の馬會駅付近における試運転の様子(資料)=2018年3月(写真:GIT)

マカオLRTタイパ線の馬會駅付近における試運転の様子(資料)=2018年3月(写真:GIT)

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