マカオ治安警察局、カジノ周辺前線勤務の警察官に催涙スプレー配備…警察官襲撃事件における威嚇発砲受け

今年(2019年)1月3日深夜、マカオ・コタイ地区のカジノIR(統合型リゾート)施設の門外の喫煙禁止場所での喫煙していた違反者の男3人が治安警察局所属の警察官から注意を受けた際に逆上して襲いかかり、警察官が上空に向けて威嚇発砲を行った。

この件を受け、マカオ保安庁はカジノ施設周辺など前線で勤務する治安警察局所属の警察官へ発砲に代わる手段として催涙スプレーの配備を検討するに至った。その後、警察官及びパトカーの増派などを通じてカジノ施設周辺における取り締まり及びパトロールを強化して臨むと同時に、催涙スプレーのストックを増やし、警察官に対する使用訓練を進めてきた。

マカオ治安警察局は2月1日、同日までに前線勤務の警察官への催涙スプレーの配備をスタートしたと発表。トレーニングを完了し、正確な使用技術を習得した警察官から順に装備させるとのこと。

マカオ治安警察局所属の警察官に対する催涙スプレー使用トレーニングの様子(写真:マカオ治安警察局)

マカオ治安警察局所属の警察官に対する催涙スプレー使用トレーニングの様子(写真:マカオ治安警察局)

同局では、催涙スプレーの配備に関し、襲撃を受けるなど突発的な場合において、相手方の攻撃可能性を速やかに低減させ、衝突を避ける手段として安全かつ有効なものとした。今後も、社会情勢の変化に対応するため、各種装備品の検討を進めていくという。

なお、カジノ施設内を担当する司法警察局所属の警察官については数年前から催涙スプレーを配備済み。

マカオは人口約66万人、山手線の内側のおよそ半分にあたる面積約30平方キロという小さな街だが、40軒以上ものカジノ施設を擁し、およそ4兆円(2018年)という世界最大のカジノ売上を誇る都市として知られる。

カジノ施設周辺など前線で勤務する治安警察局所属の警察官への催涙スプレー配備がスタート(写真:マカオ治安警察局)

カジノ施設周辺など前線で勤務する治安警察局所属の警察官への催涙スプレー配備がスタート(写真:マカオ治安警察局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計調査局は4月19日、今年(2024年)2月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公…
  2.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  3.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  4.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun