レジャー要素強化で量より質の追求へ

両会(全国人民代表大会、中国人民政治協商会議)に出席するため北京を訪問中のマカオ特別行政区経済財政司譚伯源司長は12日、将来的なマカオの経済発展の主要な方向性として、コタイ地区における非ゲーミング分野の発展を挙げ、同地区におけるゲーミング企業各社の計画のうち、非ゲーミング要素の占める割合に応じて新規ゲーミングテーブルの認可を行うことをあらためて表明。レジャー産業の強化に努めることで、マカオ訪問旅客の数量ではなく質を高める狙いがあるという。

13日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。同氏によると、近年のマカオ政府による一貫した経済の多元的発展に向けた取り組みにより、マカオ経済の中核を成すツーリズム産業の中におけるコンベンション・エキジビション、リテール、ホテル、レストラン業の発展が進んでいるが、現在もなお、ゲーミング業と比較して増加の割合が明瞭ではないという。ただし、業界内では毎年2桁成長を遂げているとしている。

また、現在マカオを訪れる観光客数が都市の受け入れキャパシティを超えているのではないかとの問いに対し、同氏はマカオはこれまでゲーミング都市として捉えられてきたが、今後は世界的リゾート都市への進化を図る必要があり、レジャー産業の強化を通じ、マカオ旅行の目的をゲーミングからレジャーにすることで、観光旅客の数量の増を追求するのではなく、質を高めていくべきとの考えを示した。同時に、現時点ではレジャー関連インフラが不足していることから、供給を増やす必要性を指摘している。

コタイ地区に進出するゲーミング各社はすでに非ゲーミング要素を発展させる方針を固めており、各社から政府への計画提出後、政府では施設における非ゲーミング要素の占める割合に応じた新規ゲーミングテーブルの配分を行うとしている。審査基準としては、「レジャー」をキーワードに、エンタテインメントショー、飲食、リテールなど、リゾート都市として必要な要素が求められるという。中国本土からの自由旅行政策の見直し検討について、譚司長はまずマカオ自身が率先して都市の最適化に取り組む必要があると語り、やるべきことは多数あるとしている。

今後、世界的リゾートセンターを目指すコタイ地区(資料)―本誌撮影

今後、世界的リゾートセンターを目指すコタイ地区(資料)―本誌撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオの統合型リゾート(IR)運営SJMリゾーツ社は4月16日、国際的に権威ある格付け機構として…
  2.  マカオ治安警察局は4月15日、マカオ半島中区の福隆新街にあるホテルの客室に侵入し、現金を盗んだと…
  3.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで4月15日、「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールド…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)などを運営するSJMリゾーツは4月15日、コタイ地区にある同社旗艦…
  5.  マカオで「ウィン」ブランドの統合型リゾート(IR)を運営するウィン社は4月13日、世界中から集ま…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun