今年初の閑散期、ホテル業界の見通しは

マカオでは春節大型連休後からイースターまでの間が今年初めての閑散期となっている。業界関係者によると、伝統的なホテルの客室稼働率は前年同期比約10%減、客室単価も5-10%の下落という。春節に満室状態となったコタイ地区の一部ホテルについても稼働率が半分以下に落ち込む。

14日付地元有力紙「澳門日報」が伝えた。マカオのホテル客室供給数が昨年約6,000室増加していることから、ホテル業界では需給バランスが変化したことによる価格競争による顧客争奪戦の様相を呈している。

マカオ政府統計調査局の資料によると、昨年(2012年)のマカオのホテル総数は100軒、客室総数は26,069室となっており、客室数は23,356室だった前年と比較して16.6%増えた。また、今年初頭に約2,000室を持つシェラトンマカオの新棟がオープンしたことから、ここ一年の間に客室供給数は6,000室近く増えたことになる。

伝統的なホテルの関係者によると、今月(3月)の客室稼働率は6-7割程度とみる。春節連休後の閑散期にマカオを訪れる旅客数がホテル客室の供給増に追いついていないこと、コタイ地区のカジノリゾート併設ホテルによる低価格によるプロモーション攻勢などの影響という。伝統的なホテルでは、中国本土の旅行社と連携し、これまでマカオと隣接する珠海に宿泊していた旅客のマカオへの誘致などを進めていくことなどを計画しているという。なお、3月末のイースター休暇は、対象が香港からの旅客。香港からの旅客はインターネットを通じたホテル予約を好む傾向があるといい、プロモーションのラインナップが豊富でウェブサイトを通じた予約システムも整うカジノリゾート付設ホテルが有利とみられる。しかしながら、イースター休暇の予約の出足は遅いという。

2012年から2013年初頭にかけ相次いで開業したサンズコタイセントラル内のホテル(資料)―本誌撮影

2012年から2013年初頭にかけ相次いで開業したサンズコタイセントラル内のホテル(資料)―本誌撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  アフターコロナ初年となったマカオの昨年(2023年)通期のカジノ売上(粗収益、Gross Gam…
  3.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)ギャラクシーマカオのイーストスクエアで4月24日、…
  4.  マカオ治安警察局は4月24日、同月22日に路線バスの車内で乗り合わせていた20代の女性の臀部に下…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月24日、マカオ半島新口岸地区にあるマカオグランプリ博物館でレゴ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun