マカオ政府が新型コロナウイルス対応レベルを引き上げ…中国本土からの全到着便乗客に対する体温検査実施

 マカオ特別行政区政府は1月21日正午すぎに緊急記者会見を開催。中国・湖北省武漢市で集団発生している新型コロナウイルスによる肺炎につき、近隣地区(広東省珠海市)での感染例が出現したことを受け、同日付で24時間体制の危機対応センターを立ち上げるとともに、対応レベルを引き上げたと発表。

 危機対応センターはマカオ特別行政区の首長にあたる行政長官直属で、流行の度合いに応じて包括的な防疫とコントロールするため、すべての公共及び民間事業体の協調を全面指揮するものという。

 センター副主席を務める歐陽瑜社会文化長官によれば、現時点でマカオにおける感染例は確認されていないが、爆発的感染にさらされるリスクに直面しているため、警戒態勢に入ったとのこと。また、政府としてきちんと対応策を準備しており、市民は心配する必要なく、状況が変化した際には政府から情報を出すとし、不正確な情報に惑わされないよう呼びかけた。

マカオのカジノ施設入口における体温検測の様子(写真:DICJ)

 目下、中国・武漢からの直行便を利用してマカオ国際空港に到着した旅客全員に対する体温検査が実施されているが、防疫対策強化の一環として、明日(1月22日)より中国本土からのすべての到着便の旅客に対する体温検査実施と健康申請書の提出を求めるという。

 多くの人が集まるカジノ施設での防疫対策も進められており、マカオのギャンブル規制当局にあたるDICJの発表によれば、39のカジノ施設にあるゲスト用入口405ヶ所、従業員用入口47ヶ所に体温検測装置を設置済みとのこと。

 このほか、マカオ政府消費者委員会によれば、近日マカオにおいてマスクの販売量が急増している状況といい、市民に対して買い占めなどをしないよう呼びかけた。また、これまでのところ店頭における便乗値上げは見当たらず、在庫量も安定しているとした。

 マカオでは、まもなく中国本土で大型連休となる春節ホリデーシーズンを迎える。昨年通気のインバウンド旅客数は約3940万人で、中国本土旅客が占める割合は約7割。

マカオ消費者委員会による市内小売店でのマスクの在庫確認の様子(写真:マカオ消費者委員会)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  3.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  4.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  5.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun