マカオ、春節GW7日間のホテル客室稼働率52.9%…対前年43.8ptの大幅下落=新型コロナウイルスによる旅客減の影響下

 今年の春節(旧正月)は1月25日。旧暦の大晦日にあたる24日から30日までの7日間が中国本土の連休となり、「春節ゴールデンウィーク(GW)」とされる。

 例年、この時期は観光都市であるマカオにとって年間最大の書き入れ時となるが、今年については新型コロナウイルス(通称:武漢原因不明肺炎)の発生に伴う甚大な影響が生じている。

 マカオ政府旅遊局(MGTO)が2月1日に公表した統計によれば、春節GW7日間のインバウンド旅客数は前年同期から78.3%の大幅減となる26.3万人にとどまった。インバウンド旅客全体に占める中国本土旅客の割合は通常およそ7割を占めるが、今GW期間中は57.2%で、人数ベースでは88.3%減の14.9万人。香港と台湾からの旅客数もそれぞれ66.7%、53.5%減。

 春節GW期間中のマカオにおける宿泊施設(ホテル及び簡易宿泊施設にあたるペンサオン)の提供客室総数は4万1148室で、平均客室稼働率は前年同期から43.8ポイント(pt)の大幅な下落となる52.9%だった。ホテル等級別では、5つ星が42.3pt下落の55.3%、4つ星が46.7pt下落の48.3%、3つ星が46.9pt下落の51.7%など。近年、マカオのホテル客室稼働率は9割前後で推移しており、かつてない落ち込みとなった。

 1泊1室あたりの平均単価は5.8%上昇の2029.7マカオパタカ(日本円換算:約2万7630円)。ホテル等級別では、5つ星が9.4%上昇の2356.0マカオパタカ(約3万2070円)、4つ星が5.3%下落の1514.2マカオパタカ(約2万0610円)、3つ星が2.6%下落の1472.2パタカ(約2万0040円)など。なお、マカオの提供客室総数のうち、5つ星ホテルが約6割を占める。

  本稿執筆時点(マカオ時間2月1日午前9時)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認者数は7人で、いずれも武漢からの旅客。最後の感染確認は27日夜で、以降の新規感染確認はない。近日、マカオでは厳格な防疫対策が相次いで実施されている。

春節ゴールデンウィーク最終日のマカオの観光名所「セナド広場」の様子=2020年1月30日ー本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  3.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  4.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  5.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun