マカオ、一時休業決めたホテルが28軒、約3700室分に…新たに「MGMマカオ」も=新型肺炎影響で旅客減

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎。世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 マカオでは、新型肺炎に対する防疫対策が厳格化された1月後半以降、インバウンド旅客数が急減。2月5日からは防疫対策のさらなる強化でマカオの全カジノ施設が15日間の休業に入った。6日以降、宿泊客数減を理由に一時休業を発表するホテルが相次いでいる。

 2月14日夕方にマカオ政府新型コロナウイルス感染対策センターが開催した記者会見の中で旅遊局が明らかにした内容によれば、同日から新たにマカオ半島新口岸地区の大型IR(統合型リゾート)「MGMマカオ」併設の同名ホテル(5つ星、582室)が一時休業したとのこと。これまでに一時休業となったホテルの累計数は3〜5つ星のホテルが10軒、2つ星以下のホテルが18軒の計28軒、客室数合計は約3700室に上る。参考までに、マカオの昨年末時点のホテル総数は123軒、提供客室総数は3.83万室。

 なお、旅遊局は12日の記者会見で、営業を継続しているホテルの客室稼働率は16%にまで落ち込んでいるとしていた。マカオの昨年通期の平均客室稼働率は前年から0.3ポイント下落の90.8%。年間最大の書き入れ時となる春節ゴールデンウィーク(1月24〜30日)の平均客室稼働率は前年の同じ時期から43.8ポイント下落となる52.9%にとどまり、業界に大きな衝撃を与えたが、以降さらに深刻な落ち込みに見舞われていることがわかる。

 このほか、コタイ地区にあるポウサダマリーナインファンテ(4つ星)は1月30日から政府が借り上げ、湖北省からの旅客の隔離施設として使われている。

  本稿執筆時点(マカオ時間2月14日午後6時)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認者数は累計10人で、内訳は7人が武漢からの旅客、3人がマカオ人。このうち武漢からの旅客3人が治癒し退院済み。2月5日以降、10日連続で新規感染確認ゼロが続いている。

「MGMマカオ」(資料)=マカオ・新口岸地区-本紙撮影

「MGMマカオ」(資料)=マカオ・新口岸地区-本紙撮影

【資料】一時休業が発表されたマカオの3つ星以上のホテル
・グランド ハーバー ホテル(3つ星)2月6日〜
・フォーシーズンズ ホテル マカオ(5つ星)2月7日〜
・セントレジス マカオ(5つ星)2月7日〜
・コンラッド マカオ(5つ星)2月7日〜
・ソフィテルマカオ アット ポンテ16(5つ星)2月7日〜
・レジェンド パレス ホテル(5つ星)2月9日〜
・ロックス ホテル(3つ星)2月9日〜
・アルティラ マカオ(5つ星)2月10日〜
・ロイヤル ドラゴン ホテル(3つ星)2月14日〜
・MGMマカオ(5つ星)2月14日〜

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