マカオ、19年第4四半期の旅客総消費額対前年11.8%減の約2236億円…1人あたり平均は4.3%減の約2.4万円で5四半期連続マイナス

 マカオは人口約67万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

 昨年(2019年)通期の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)は3940万6181人で、前年から10.1%増。このうち中国本土旅客は10.5%増の2792万3219人で、全体の70.9%を占めた。年間訪マカオ旅客数が3000万人の大台を突破するのは6年連続のこと。ただし、今年は1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の流行による影響でインバウンド旅客数は激減している。

 マカオ政府統計調査局は2月26日、昨年第4四半期(2019年10〜12月期)の旅客消費調査(ギャンブル消費を除く)結果を公表。昨年第4四半期の旅客総消費額は前年同時期から11.8%減となる162.4億マカオパタカ(日本円換算:約2236億円)。内訳は宿泊を伴う旅客が16.0%減の125.7億マカオパタカ(約1731億円)、日帰り旅客が6.1%増の36.7億マカオパタカ(約505億円)。

 昨年通期の旅客総消費額は前年から8.0%減となる640.8億マカオパタカ(約8822億円)。内訳は宿泊を伴う旅客が11.2%減の499.6億マカオパタカ(約6878億円)、日帰り旅客は5.0%増の141.2億マカオパタカ(約1944億円)。

 昨年第4四半期の旅客1人あたりの平均消費額は4.3%減となる1765マカオパタカ(約2万4300円)で、5四半期連続のマイナス。内訳は宿泊を伴う旅客が5.9%減の2883マカオパタカ(約3万9700円)、日帰り旅客は11.9%増の759マカオパタカ(約1万0400円)。また、国・地域別では訪マカオ旅客の大半を占める中国本土旅客が3.7%減の2014マカオパタカ(約2万7700円)だった一方、シンガポール旅客が25.4%増の2144マカオパタカ(約2万9500円)、韓国旅客が31.8%増の2073マカオパタカ(約2万8500円)と大幅伸長。

 昨年通期の旅客1人あたりの平均消費額は16.5%減の1626マカオパタカ(約2万2400円)。内訳は宿泊を伴う旅客が2681マカオパタカ(約3万6900円)、日帰り旅客が680マカオパタカ(約9400円)で、それぞれ11.8%、12.5%減。

 消費分類別では、ショッピングが全体の45.7%を占めた。旅客1人あたり平均ショッピング消費額は19.0%減の743マカオパタカ(約1万0200円)で、内訳は化粧品及び香水が8.8%減の255マカオパタカ(約3500円)、食品系土産が11.8%減の219マカオパタカ(約3000円)。宿泊は422マカオパタカ(約5800円)、飲食は332マカオパタカ(約4600円)で、それぞれ15.3%、14.7%減。渡航目的別ではコンベンション・エキジビション参加を目的とした旅客の1人あたり平均消費額が最も高く、7.8%増の3781マカオパタカ(約5万2000円)。一方、ショッピング目的は7.8%減の2415マカオパタカ(約3万3200円)、リゾートステイ目的は11.1%減の2268マカオパタカ(約3万1200円)。

新型コロナの影響でインバウンド旅客が激減したマカオ。写真は観光名所、世界遺産・セナド広場=2020年2月26日本紙撮影

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