マカオ、学校再開控え全教職員に新型コロナ検査実施…まず中学・高校の約5000人を4日間で

 昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行拡大を受け、マカオでも水際対策を強化するなどより厳格な防疫措置が講じられている。

 マカオにおける4月25日までの累計感染者数は45人で、内訳は輸入性症例が43人、輸入関連性症例が2人。これまでのところ市中感染例は確認されていない。直近の新規感染確認は4月8日のことで、実に17日連続で新規感染確認ゼロとなっており(輸入関連性症例に限ると28日連続ゼロ)、域内における状況は落ち着いているといえる。

 マカオでは、1月下旬の春節(旧正月)前に公立・私立の別なくすべての学校が休校となり、現在まで長期にわたって継続中。マカオ政府は「停課不停學(休校中も学習を止めない)」を掲げ、各学校がオンラインを活用した自宅学習支援を行っている。

 域内の状況が落ち着いたことを受け、幼稚園から高中(日本における高校に相当)までの教育行政を管轄する教育青年局(DSEJ)は4月9日、高中を5月4日、初中(中学校)を5月11日から再開、小学校、幼稚園、特殊教育校については今後の状況の推移をみた上であらためて判断すると発表した。

 DSEJは4月25日夕方開催された政府新型コロナウイルス感染症対策センター定例記者会見の中で、学校の再開にあたり、マカオ在住の全教職員に対する新型コロナウイルス核酸検査(NAT=Nucleic Acid Test)を実施する計画を明らかにした。まず、再開を目前に控えた高中及び初中の約5000人を対象に、マカオの指定医療機関で4月27日から30日の4日間にわたって実施し、1時間あたりの検査人数は100人程度を予定しているとのこと。検査結果は速やかに判明するといい、5月4日の高中の再開に間に合うとの見通しを示している。

 マカオに隣接する中国広東省珠海市に居住し、マカオへ越境通勤・通学する教職員と生徒についても珠海市の指定医療機関で検査を実施するとした。陰性証明を得ることでマカオとの往来が可能となる。なお、越境通勤・通学者は7日おきに検査を受ける必要が生じる。

4月25日夕方に開催されたマカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

 DSEJによれば、マカオにおける4日間の集中検査にかかる検査キット、医療スタッフの数は充足しているとのこと。マカオ在住の教職員、越境通勤・通学の教職員と生徒の検査にかかる費用はマカオ政府が負担する。

 マカオの学校では、4月20〜29日にかけて各学校で教職員らによる再開後の防疫対策等の準備などが進められている。登校時に検温を行い、マスクの着用を必須するほか、昼食時には対面を避ける措置などが講じられる予定。必要となるマスク、消毒液、体温検測ゲートといった防疫物資についても企業や個人からの寄付により十分な数量を確保できているとのこと。

 マカオの面積は約32平方キロ(東京の山手線の内側の約半分)、人口は約68万人。

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  2.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  3.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  5.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun