マカオ市民向けマスク有償配給制の累計販売数が1億枚突破=新型コロナ防疫対策で1月下旬から実施

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大する中、国際観光都市マカオでも、状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 目下、マカオでは100日以上にわたって輸入関連性の新型コロナ新規観戦確認がなく、状況は落ち着いている。また、これまでに死亡例、市中感染例ともゼロを達成している。

 マカオ政府は防疫対策の一環として1月23日に市民に対してマスク着用を呼びかけると同時に、政府が抱える在庫の放出と世界各地からの調達を通じて2000万枚を確保した上、すべての市民が1人1日1枚のマスクを確実に入手できるよう有償配給制度を立ち上げた。その後も現在までマスクの調達を続けながら制度を維持している。

 マカオでは公共交通機関をはじめ、役所、銀行、小売店、飲食店など、利用にあたってマスク着用を必須とするところがほとんどとなっており、冬から春、そしてすっかり夏本番を迎えて猛暑が続く現在に至るまで、マカオでマスクを着用していない人を見かけるのは非常に稀だ。

 マスク有償配給制度はマカオ市民(マカオ居民IDカード保有者と就労ビザ保有者)を対象とし、1人あたり10枚1組を政府が定めた原価とされる8マカオパタカ(日本円換算:約110円)で公立クリニックや薬局等の特設窓口で販売するもの。これまで10日おきに実施されてきた。現在は18回目を迎えている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは7月13日、現在実施している第18回有償配給の期間中、累計配給枚数が1億枚を突破したと発表。参考までにマカオの人口は約70万人。

 同センターでは、地域コミュニティのマスクの着用を含む各種防疫措置への協力によって、マカオにおける状況は安定を維持できていると評価。ただし、マカオ域外では依然として厳しい状態にあり、引き続き万全な対策を堅持してほしいと呼びかけた。

 なお、政府はマスクの有償配給制度を今後しばらく維持するとしており、仮に中止する場合、その2回前(20日以上前)までに発表するとしている。

 マカオの現状として、有償配給もあり個人レベルでのマスクの需要は満たされている。すでに薬局やスーパー等の店頭でマスクが陳列されているのは当たり前のこととなりつつあり、有償配給品との価格差も日を追うごとに小さくなってきた印象だ。アルコール消毒液などの防疫グッズについても供給も安定している。

マカオ政府が市民向けに有償配給するマスクの仕分け作業の様子=2020年4月1日(写真:DSEJ)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  3.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  4.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  5.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun