マカオの歴史的建造物等にマジックで落書きした中国本土出身の男逮捕…中国文化を広めたかったなどと供述

 マカオ治安警察局は7月29日、タイパ島にある歴史的建造物の壁面など13ヶ所にマジックで落書きをしたとして中国本土出身の70代の男1人を逮捕し、加重毀損罪で検察院送致したと発表。

 警察発表によれば、7月25日に警察官がタイパ島の嘉模會堂(カルモホール)付近を巡回中、同施設の警備員から外壁に落書きされたとの被害報告を受けたという。警察が調査に着手したところ、施設周辺の建造物の壁面やバス停など13ヶ所で落書きを発見。芸術的価値を有するとして文化財にも指定されているタイパ・コロアン歴史博物館も含まれていた。警察では、一連の落書きはいずれもマジックを使ったとみられ、筆跡も酷似しており、政治に対する不満とみられる内容が書かれていたとのこと。同一人物によって書かれたものと判断。その後、公共エリアの映像監視システム「天眼(スカイアイ)」を使って容疑者の絞り込み、同日中にタイパ島内で身柄の拘束に成功したという。

 被疑者は警察の調べに対し、観光目的でマカオを訪れ、中国文化を広めるためにやったが、違法行為にあたるとは知らなかったなどと供述したとのこと。なお、落書き被害に遭った建造物等を管理する政府機関(文化局、市政署、交通事務局)とマカオ電力は刑事責任を追及する姿勢を示しており、衣料品店のみ不問とすることを決めたという。

 マカオでは、しばしば歴史的建造物への落書き行為が発見されており、政府文化局及び警察は市民及び観光客に対して文化財保護の重要性を継続的に訴えている。

文化財建築物等への落書き行為により加重毀損罪で検察院送致された男(写真:マカオ治安警察局)


タイパ・コロアン歴史館(資料)=マカオ・タイパ島にて本紙撮影

タイパ・コロアン歴史館(資料)=マカオ・タイパ島にて本紙撮影

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