「PCR検査受けてでもマカオへ行きたい」中国本土旅客は47%にとどまる…大手金融機関調査=入境制限緩和進むも手続きのハードル高く

 マカオでは、今年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う入境制限を含む防疫対策が講じられたことを受けてインバウンド旅客数が激減。カジノ施設でもテーブル数を限定するなどのニューノーマル下での営業を余儀なくされている。

 目下、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び広東省における状況が落ち着いてきたことを受け、7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査(PCR検査)の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された。また、中国広東省珠海市居民及び広東省居民を対象にしたビザに相当するマカオ渡航許可(個人・団体観光旅行)の申請がそれぞれ8月12日、26日から再開。さらに、9月23日から中国本土全域に拡大するスケジュールとなっている。

 BofA証券は9月22日に発表したレポートの中で、マカオの8月のインバウンド旅客数は前年同月比93.7%減だったが、前月の同97.9%減からは良化しており、広東省からマカオへの入境制限の緩和によるものとの見方を示した。

 ただし、中国本土旅客が個人向けのマカオ渡航許可申請を行う際、コロナ前はセルフ式のキオスク型端末を使って手続きすることができたが、現在は申請者本人が特定の時間に指定場所へ赴く必要あり、申請から発給までにかかる時間も長くなっているという。また、マカオへ入境するにあたって新型コロナウイルス検査を受けることが条件となっていることもマカオ渡航意欲に影響を及ぼしているとした。同社が今年8月に実施した中国本土旅客に対するアンケート調査によれば、核酸検査を受けてでもマカオへ行きたいと回答した人は全体のわずか47%にとどまったという。

新型コロナの影響でインバウンド旅客が激減したマカオ。写真は観光名所の世界遺産・セナド広場=2020年7月19日本紙撮影

 昨年のマカオの総インバウンド旅客数に占める中国本土旅客の割合は約7割。両地の間の往来制限緩和がカジノ売上の回復につながるものと期待されているが、これまでのところ顕著な旅客増、カジノ売上の回復には至っていない。

 BofA証券のレポートでは、10月初頭の中国本土の大型連休(国慶節ゴールデンウィーク)期間中にマカオを訪れる中国本土旅客の数は事前予想を下回る見込みだが、カジノ運営事業者は連休中に少しずつ回復が進むと予想しているとした。

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