マカオの20年1〜9月累計カジノ税収が72.7%減の約3093億円に…コロナ禍インバウンド旅客激減響く

 マカオ政府財政局が10月16日付で公表した最新の財政収支データによれば、今年(2020年)1〜9月累計の歳入は前年同時期から22.4%減の781億8148.3万マカオパタカ(日本円換算:約1兆0329億円)で、年度(1〜12月)予算執行率は71.3%だった。

 ただし、経常的収入に限ると65.9%減の335億1003.1億マカオパタカ(約4427億円)にとどまった。

 このうち、ゲーミング(カジノ)税収は72.7%減の234億1098.4万マカオパタカ(約3093億円)。年度予算執行率は46.8%で、歳入に占めるゲーミング税の割合は29.9%に。通常は歳入の約8割を占めるが、ゲーミング税収の大幅減に加え、財政準備からの補填分が資本的収入に計上(後述)されたことによって割合が小さくなった。

 歳出は8.4%増の618億7745.4万マカオパタカ(約8174億円)で、年度予算執行率は56.4%。経常性費用が13.4%増、資本性費用が19.9%減だった。

 財政収支は163億0402.9万マカオパタカ(約2154億円)の黒字、前年同期比では62.6%の大幅なマイナスだった。財政準備からの補填分を除外すれば実質赤字。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

 ゲーミング税はカジノ粗収益(Gross Gaming Revenue=GGR)がベースとなる(*註)。今年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴う入境制限を含む防疫措置の強化等によってインバウンド旅客数が激減し、GGRを直撃した。1〜9月累計のGGRは82.5%の大幅減となる386.05億マカオパタカ(約5100億円)にとどまっている。

 なお、今年4月に新型コロナの影響を考慮し、カジノ税収の半減による歳入減と防疫・経済支援策による歳出増を見込み、財政準備から389.5億マカオパタカ(約5146億円)を補填する内容を盛り込んだ2020年度改正予算案が立法会で可決された。4月以降の財政収支データは改正後の数値が反映されるため、当初予算ベースだった3月までのものと比較して差異が生じている。政府は今月、年度内に2度目の補填も計画していることを明らかにしたばかり。

(*註)マカオのカジノに対する実効税率は約38〜39%。GGRの35%に加え、マカオファウンデーションへの拠出分として1.6%、インフラ・観光・社会保障基金への拠出分が2.4%(SJM社のみ1.4%)。

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