マカオの路線バスが観光名所タイパヴィレッジのレストランに突っ込む…7人重軽傷=事故原因はパーツ故障か

 マカオ・タイパ島の観光名所として知られるタイパビレッジで11月7日正午頃、営業運転中の路線バスが海鮮レストランに正面から突っ込む重大交通事故が発生した。

 事故現場は変則的なロータリーで、本来バスは右折して進むところ、事故車輌はそのまま直進。ガードレールは設置されておらず、歩道を乗り越えてレストランに正面から突っ込んだ後に停止した。

 警察及び消防の発表を総合すると、事故当時、バスには約20人の客が乗っており、このうち6人が軽傷を負った。また、レストランは開店前で客はいなかったが、店内にいた従業員1人が事故の衝撃で崩れた瓦礫に挟まれ、事故発生から約50分後にレスキュー隊によって救出。肋骨骨折などの重傷で病院へ搬送され、手術を受けたが、命に別状はないという。

マカオ・タイパヴィレッジで発生したレストランに路線バスが突っ込む重大交通事故の現場で対応にあたる警察官と消防士ら=2020年11月7日(写真:マカオ治安警察局)

 バス運転士は警察の調べに対し、事故現場すぐ手前にあるバス停で客を乗降させた後に発車した途端、パーツの故障によるものとみられる操縦不能に陥ったなどと説明しているとのこと。警察では、事故原因はパーツの故障とみられるが、事故車両の調査などを通じて詳細な原因究明を行うとしている。

 バスを運行する新福利社によれば、運転士は入社20年以上のベテランで、今年6月のボディチェック結果は合格、これまでの運転記録も良好だったという。事故車両については2018年に導入したもので、10月31日にメンテナンス及び検査を完了したばかりだったとのこと。同社では保有する同型(中国・金龍客車製の10.6メートル車)の14台を運用から外して車検に回すという。

 なお、マカオ政府工務局がレストランの入居するビルを検査した結果、今回の事故による建物の構造への影響はないことを発表している。

消防によるレストラン店内でのレスキュー活動の様子=2020年11月7日(写真:マカオ消防局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)グランドリスボアパレス(上葡京)で4月22日、世界…
  2.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社は4月22日、マカオ特別行政区の成立25周…
  3.  マカオ政府統計センサス局(DSEC)は4月22日、今年(2024年)3月及び1〜3月累計の訪マカ…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオ治安警察局は4月21日、自動車の運転者と歩行者の安全を確保するため、マカオ域内の各所でキッ…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun