マカオ、10月のインバウンド旅客数58.2万人に…対前年81.9%減も対前月では29.6%増=中国本土からの入境制限緩和後に回復進む

 マカオ政府統計調査局は11月24日、今年(2020年)10月及び1〜10月累計の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 10月のインバウンド旅客数は前年同月から81.9%減、前月から29.6%増の58万1986人(延べ、以下同)だった。対前月では6ヶ月連続のプラス。

 宿泊を伴う旅客が全体の53.0%を占め、前年同月から7.0ポイント上昇。これを受け、旅客の平均滞在時間は0.2日延びて1.4日に。宿泊を伴う旅客の平均滞在時間は0.3日延びて2.7日、日帰り旅客は0.1日短い0.1日だった。

 10月のインバウンド旅客のうち国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、全体の92.7%を占める53万9482人、前年同月比では77.0%減。このうち珠江デルタ9市からの旅客が52.3%を占めた。また、個人旅行客は17万4002人。香港と台湾からの旅客はそれぞれ3万7909人、4574人だった。入境ルート別では、陸路が54万3497人、空路が2万6778人、海路が1万1711人。

マカオの著名観光スポットのひとつ、世界遺産・セナド広場の様子(資料)=2020年10月6日本紙撮影

 中国本土旅客がけん引するかたちでインバウンド旅客数が復調傾向にある背景として、マカオと中国本土における流行状況が落ち着いてきたことを受け、7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された上、中国広東省珠海市居民及び広東省居民を対象にしたビザに相当するマカオ渡航許可(個人・団体観光旅行)の申請受付がそれぞれ8月12日、26日から再開、9月23日から中国本土全域に拡大したことが挙げられる。これと並行してマカオと中国各地を結ぶ海路、空路の交通アクセスも元に戻りつつある。

 香港、台湾居民については、直近14日以内の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、14日間の政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担)、新型コロナウイルス核酸検査陰性証明書の提示を求めるなどの対応。外国人(マカオ就労ビザ保有者を含む)については原則入境禁止が維持されているが、12月1日から一部緩和される。ただし、マカオ入境前14日間以上中国本土に滞在していることなどの諸条件をクリアした上でマカオ当局へ事前申請して可否判断を仰ぐ必要があり、恩恵を受ける数は限定的とみられる。

 今年1〜10月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から86.2%減の460万1090人。

 参考までに、昨年通期のインバウンド旅客数は前年から10.1%増の3940万6181人に上り、3年連続で過去最多を更新。中国本土旅客が占める割合は約7割だった。

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