マカオ、職務質問受けた中国人の違法両替商が警察官のポケットに現金突っ込み「見逃してほしい」…贈賄罪で起訴

 マカオ治安警察局は12月2日、職務質問を受けた際、警察官のポケットに現金を突っ込み買収を図ろうとしたとして中国本土出身の自称無職の男(41)を贈賄罪で逮捕、起訴したと発表。

 12月1日午前1時頃、マカオ治安警察局所属の警察官が2人1組となってカジノIR(統合型リゾート)集積エリアにあたるコタイ地区のストリートでパトロール中にに挙動不審の男を発見。職務質問のため男を制止しようとしたところ、男は逃走を図ったが、すぐに警察官が追いつき、取り押さえることに成功したという。

 その後、職務質問を再開した際、男が所持していたスマートフォン内に残されていたデータから、ギャンブラーを対象とした違法な貨幣両替に従事していたことを裏付ける証拠の数々が見つかったため、発覚を恐れて逃走を図ったものと判断。さらに、職務質問の途中、男は突然自身のジーンズのポケットの中から2万2000香港ドル(日本円換算:約30万円)の現金の束を取り出し、1人の警察官の外套のポケットに突っ込んできたが、警察官が即座に男の動きを制止。このほか、男が再三にわたって「見逃してほしい」などの発言を繰り返していたことから、贈賄目的であることが明らかとして逮捕するに至ったとのこと。

 昨今、マカオのカジノ施設内外において「換銭党」と呼ばれる違法な貨幣両替に従事する者が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発している。近年、マカオ保安当局では、換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、複数回の大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨んでいる。

被疑者が贈賄目的で職務質問を担当した警察官のポケットに突っ込もうとした現金(写真:マカオ治安警察局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  3.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  4.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  5.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun