マカオで今年6人目の在郷軍人病感染者確認…患者は慢性疾患持つ65歳マカオ人男性、潜伏期間中に中国広東省と海南省渡航歴

 マカオ政府衛生局は12月2日夜、マカオで今年(2020年)6人目となる在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染者を確認したと発表。

 SSMが発出したプレスリリースによれば、患者は慢性疾患を抱える運転士のマカオ人男性(65)とのこと。11月23日に発熱などの症状が現れたため、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)救急外来を受診。その後も症状が収まらなかったことから25日に私立総合病院の鏡湖醫院救急外来を受診。以降も症状が悪化が進み、咳も出るようになったため、29日に同院を再受診し、入院治療することが決定。同院における胸部X線検査で右肺に肺炎の症状が確認され、尿中レジオネラ抗原検査で陽性反応が出たことから、在郷軍人病に感染していると診断された。目下、患者の容体は落ち着いており、入院治療を続けているという。

 なお、患者は潜伏期間にあたる11月12日から18日にかけて、家族と友人とともに自動車をチャーターして中国本土の広東省・湛江市と海南省を旅行していたとのこと。同居の家族と同行者に類似の症状は見受けられないとのこと。また、患者は近日休暇中で、職場には出ていなかった。

 在郷軍人病はレジオネラ菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられている。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ菌は多様な環境下に存在するが、20〜45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。マカオで確認された在郷軍人病感染者数は一昨年(2018年)が5人、昨年は2人だった。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

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