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マカオLRTタイパ線、開業14ヶ月目の1日平均乗客数は約1700人…2021年1月=コロナ禍で効果発揮できない状況続く

産業・経済2021/02/05 14:20

 マカオ初となる本格的な軌道系大量輸送機関(鉄道)として、マカオLRT(Light Rapid Transit)が2019年12月10日に営業運転を開始。今月で開業から15ヶ月目を迎えるが、開業時に予想もしなかったコロナ禍により利用者数は低迷し、事前見通しを大きく下回る状況が続いている。

 タイパ線はマカオLRT第1期プロジェクトの一部で、タイパフェリーターミナル駅と海洋駅の間の9.3キロ、11駅の区間が開業済み。沿線には香港や広東省主要都市との間を結ぶ高速船が発着するタイパフェリーターミナル、マカオ国際空港、広東省珠海市の横琴新区との陸路のボーダーにあたるコタイ・イミグレーション(*2020年8月に中国本土側へ移転、後述)といった陸海空の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在する。

 このほど運営会社のマカオLRT社が開業後14ヶ月間(2019年12月〜2021年1月)の乗客数データを公表。1日あたり平均乗客数(延べ、以下同)は開業初月の2019年12月は3万3000人に上ったものの、以降は2020年1月が1万6000人、2月は1100人、3月は1400人、4月は1200人、5月は1400人、6月は1500人、7月は1900人、8月は2100人、9月は2200人、10月は2000人、11・12月はいずれも1900人、2021年1月は1700人と低迷が続いている。マカオ政府は開業を前に1日あたり平均乗客数予測を約2万人としていた。

 昨年1月以降に乗客数が大きく減少した理由として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴う入境制限を含む防疫措置が2020年1月後半から本格的に講じられ、インバウンド旅客数が激減したことが挙げられる。陸海空の玄関口と大型カジノIR集積地区などを結ぶインバウンド旅客が多く見込まれる路線にとって、低迷もやむなしといった状況だ。

 目下、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び広東省における状況が落ち着いてきたことを受け、2020年7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された。また、中国広東省珠海市居民及び広東省居民を対象にしたビザに相当するマカオ渡航許可(個人・団体観光旅行)の発給がそれぞれ8月12日、26日から再開。9月23日から中国本土全域に拡大した。昨年のマカオの総インバウンド旅客数に占める中国本土旅客の割合は約7割。

 中国本土との往来制限緩和を受け、インバウンド旅客数については9月以降に明確な回復傾向が見受けられるものの、そのスピードは緩やかなものとなっている。また、中国本土旅客の出入境ルートもマカオ半島北部にある關閘イミグレーションが大半を占めており、マカオLRTタイパ線の利用増に結びついていないのが現状だ。8月に広東省珠海市の横琴新区との陸路のボーダーにあたるコタイ・イミグレーションの機能が中国本土側の横琴新口岸へ移転したことで、陸路の玄関口と直結という機能がなくなったことも痛手だ。これについては、移転先まで支線を延ばすことでの対応が予定されている。マカオ国際空港とタイパフェリーターミナルの機能が本格的に回復するまでの間、厳しい状況が続きそうだ。実際、マカオLRTタイパ線の利用増にはつながっていない。2021年1月については、中国本土との往来制限後で最低記録だった。

 マカオ政府運輸工務庁のライムンド・ロザリオ長官は1月29日のマカオ立法会で、マカオLRTタイパ線の利用者数は新型コロナの影響で急減し、一時は1人あたり約2000人まで持ち直したものの、その後再び下落したことに対して「原因不明」と述べた。「新型コロナの同線に対する影響は大きく、社会的便益はゼロといわざるを得ないが、政府は営業継続を決定し、修理及び保守要員のトレーニングも実施した」とのこと。

マカオLRTタイパ線(資料)=2019年12月10日本紙撮影

 マカオLRTは三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング社の全自動無人運転車両システム(Automated Guideway Transit=AGT)を採用。同社がAGTシステムとして、東京の「ゆりかもめ」と同タイプのクリスタルムーバー型AGT車両(110両)、信号・列車制御設備、供電設備、通信システム、軌道、メンテナンス設備、ホームドア、料金機械を手掛けた。また、開業後5年間にわたる車両のオーバーホールメンテナンスも担当し、マカオLRTの安定運行をサポートすることになっている。AGTシステムは、電力駆動により完全自動走行する新交通システムで、ゴムタイヤ方式を採用しているため走行が滑らかかつ低騒音であるのが特徴。

 マカオLRT第1期プロジェクトの未開業部分のうち、マカオ半島線(媽閣から西灣湖、南灣湖、新口岸地区、マカオ半島北東部の住宅街を経由して關閘を結ぶ路線)はルート選定が難航するなどしており、本格着工に至っていない状況。現在、タイパ線のマカオ半島側への乗り入れ(タイパ線の海洋駅から西灣大橋を経由して媽閣駅に至る部分)に向けた準備が進むほか、タイパ島北東部にあるマカオ国際空港からマカオ半島東部沖に造成中の埋立地を経由してマカオ半島北端にある關閘を結ぶ全長約9キロの新線計画(東線)についても全線地下を走る地下鉄に類する方式で検討がなされている。

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