香港、2/8の新型コロナ新規感染確認数32人…市中感染28人中感染経路不明は6人

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府は2月8日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が前日から5人増の32人だったと発表。内訳は市中感染が前日から4人増の28人、輸入性が4人。市中感染のうち感染経路不明は横ばいの6人で、4日連続で1桁台だった。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は20人超とのこと。

 依然として市内各所で集団感染(クラスター)の出現が続いている状況。マンションの同一棟内、グループホーム内、職場内での感染連鎖も多く確認されており、市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させている可能性が指摘されている。

 この日は既知のクラスター事案のうち香港国際空港第3滑走路建設工事現場の作業員関連で新たに1人の感染確認があった。衛生当局では、同じ現場に勤務する約3000人がすでに検査受け、結果は陰性だったというが、新たな感染者が出現したことを受け、潜伏期間を考慮して再度の全体検査に踏み切る可能性があるとした。

 香港では、第4波下で感染者が複数出現したビル(マンション)の住民に対する強制検査、1月下旬からは感染例の集中する特定区域を対象とした局地ロックダウンによる強制検査が散発的に実施されており、近日では広範かつ頻繁に実施されるようになった。並行して強制検査対象とするビルの基準引き締めも進んでいる。

 2月7日夜に香港島のクオリーベイ地区のマンションで実施された局地ロックダウンでは陽性予備軍が3人見つかり、このうち1人が高校生だったという。香港の学校は対面授業が中止となっているが、一部条件付きでテストの実施などが許可されている。この高校生は潜伏期間中に学校の講堂でテストを受けていたことが判明。居住するマンションで複数の感染確認例あり、校内伝播の可能性もあるとし、同時間帯に講堂に居合わせた生徒、教員、職員およそ130人が密接接触者として検疫センターへ移送された。

 ここまでの香港における累計感染確認数は1万0668人、退院者数は9918人、死者数は186人。

局地ロックダウンが実施された九龍・ホンハムエリアの一角で住民に対してウイルス検査を受けたかどうかの確認を行う職員=2021年2月8日(写真:news.gov.hk)

 昨今の感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にある。ただし、これまでもホリデーシーズン後に急増するパターンとなっているため、今週後半以降の春節(旧正月)ホリデー以降の動向が気がかりだ。

 香港で第4波が続く一方、海を隔てて隣にある人口約68万人のマカオでは、封じ込めに成功している。直近およそ2週間で2人の新規感染確認があったが、ドバイとポルトガルからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。市中における感染確認に関しては2月8日まで316日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。2月6日には香港より先に新型コロナウイルスワクチンの第1便(シノファーム社製の不活化ワクチン10万本)が到着。9日から接種開始予定となっている。

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