香港、2/13の新型コロナ新規感染確認数12人…第4波下最少、春節ホリデーによる市民の医療機関受診減も要因か

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府は2月13日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が前日から12人減の12人だったと発表。内訳は市中感染が8人減の10人、輸入性が2人。市中感染のうち感染経路不明は7人減の2人で、9日連続で1桁台だった。新規感染確認、市中感染、感染経路不明とも第4波下で最少だった。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は約10人とのこと。

 市内各所のマンションの同一棟内、グループホーム内、職場内などでの感染連鎖が続いており、依然として市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させているものとみられる。

 香港では、第4波下で感染者が複数出現したビル(マンション)の住民に対する強制検査、1月下旬からは感染例の集中する特定区域を対象とした局地ロックダウンによる強制検査が散発的に実施されており、近日では広範かつ頻繁に実施されるようになった。並行して強制検査対象とするビルの基準引き締めも進んでいる。なお、局地ロックダウンについては2月10日から春節(旧正月)ホリデー期間中にかけて実施されないとのこと。

 ここまでの香港における累計感染確認数は1万0768人、退院者数は1万0160人、死者数は193人。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

 昨今の感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にある。ただし、これまでもホリデーシーズン後に急増するパターンとなっているため、12日から15日にかけての春節(旧正月)ホリデー以降の動向が気がかりだ。政府はソーシャルディスタンス措置(飲食店のイートインは1テーブルあたり2人までに制限、飲食店の夕食時間帯以降の営業禁止、バー・美容院・劇場・カラオケ店ほか多業種を対象とした閉鎖令など)を17日まで維持するが、18日以降は飲食店における1テーブルあたりの人数を4人に、営業時間を午後10時まで延長することなど、一部緩和する方針を示している。政府部門における公共サービスについても18日から全面再開予定。

 香港衛生当局では、この日の新規感染確認数が少なかったことについて、春節ホリデーが始まったばかりで、医療機関を受診する市民の数が少なかった可能性があるとの見方を示した。これを踏まえ、各地で感染連鎖が続き、今後感染確認数が上昇に転じることもあるとし、市民に対して気を緩めず、親しい人と対面する際もマスクを外さず、一緒に食事をすることも避けるよう呼びかけた。また、春節ホリデー中でもなんらか疑わしい自覚症状があった場合には、速やかに医療期間を受診してほしいとした。

 香港で第4波が続く一方、海を隔てて隣にある人口約68万人のマカオでは、封じ込めに成功している。1月下旬から2月上旬にかけて2人の新規感染確認があったが、ドバイとポルトガルからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。市中における感染確認に関しては2月13日まで321日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。2月9日からは香港より先に新型コロナウイルスワクチン接種がスタートしている。

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  2.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  3.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  4.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…
  5.  マカオ政府衛生局(SSM)は4月17日夜、マカオで今年(2024年)4人目となる在郷軍人病(退役…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun