マカオ、春節GW4日目のインバウンド旅客数52.0%減…4日連続増、4日間累計では75.5%減

 新型コロナウイルス感染症の世界的流行が続く中、国際観光都市マカオでも厳格な各種防疫対策が維持されている。

 マカオでは、年間最大の書き入れ時となる春節(旧正月)シーズンを迎えた。しかしながら、流行の長期化を受けて水際措置の強化が進んだことから、インバウンド旅客数は流行初期にあたる昨年(2020年)の同シーズンよりも厳しい数字になるとみられる。

 なお、マカオと中国本土における流行状況は比較的早期に落ち着いたことから、昨年7月中旬以降、両地の往来制限は段階的に緩和されている。中国本土からのインバウンド旅客も戻りつつある状況だが、コロナ前と比較して手続きが煩雑化したことや、新型コロナウイルス陰性の取得が必要なったこともあり、そのペースは緩やかなものとなっている。また、この春節ホリデーについては、拡散予防策として地元で過ごすよう呼びかけも行われているため、大幅なインバウンド旅客の増加は期待できないとされる。

 マカオ政府旅遊局(MGTO)では、中国本土で年に複数回ある大型連休にあたるゴールデンウィーク(GW)について、治安警察局提供資料を元に前年対比のインバウンド旅客数データを公表している。今年(2021年)の春節GWは大晦日にあたる2月11日から17日までの7日間で、比較対象は昨年(2020年)1月24日から30日まで。

 MGTOが公表した2月15日更新の最新データによれば、春節GW4日目(2月14日)の総インバウンド旅客数は前年の同日から52.0%減の1万7357人、中国本土旅客に限ると20.4%減の1万6066人だったとのこと。インバウンド旅客全体に占める中国本土旅客の割合は92.6%。

 春節GW4日目までの累計では、総インバウンド旅客数が75.5%減の4万7770人、中国本土旅客に限ると61.2%減の4万3330人、中国本土旅客の占める割合は90.7%。

 マカオ域内で初めて新型コロナウイルス感染症の感染者が確認されたのは昨年(2020年)1月22日のこと。春節の2日前というタイミングで、各種防疫対策が本格的に講じられるきっかけとなり、政府主催の春節祝賀イベントも軒並み中止に。今年についても、規模の大きな春節祝賀イベントは中止となっている。

 マカオでは、輸入性及び輸入関連性事例を除き、市中における感染確認に関しては2月14日まで322日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。2月9日からは香港より先に新型コロナウイルスワクチン接種がスタートした。参考までに、マカオの人口は約68万人、面積は東京の山手線のおよそ半分にあたる約30平方キロメートル。

マカオの市街地に設置された春節デコレーション(資料)=2021年2月13日、世界遺産・セナド広場にて本紙撮影

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