マカオ、2020年通期の小売業販売額は対前年41.5%減…コロナ禍インバウンド旅客減影響、中国本土との往来制限緩和で3Q以降回復

 マカオ政府統計調査局は2月25日、昨年第4四半期(2020年10〜12月期)及び通期のマカオの小売業販売額調査結果を公表。

 マカオでは昨年1月下旬から新型コロナウイルス感染症防疫対策の一環として厳格な入境制限が講じられた結果、インバウンド旅客数が激減。インバウンド依存度が高い国際観光都市とあって、経済は大打撃を受けている。ただし、マカオと中国本土における状況が落ち着いたことを受け、7月中旬から両地の間の往来制限が段階的に緩和されたことを受け、中国本土からのインバウンド旅客が徐々に戻り始めている。

 昨年第4四半期の小売市場は第3四半期に続いて回復が進んだ。昨年第4四半期の小売業販売総額は同年第3四半期から102.5%増の181.6億マカオパタカ(日本円換算:約2396億円)、価格要素を除いた販売量指数についても109.8%増に。前年同時期との比較では、販売総額が12.5%減となり、下落幅が第3四半期から50.4ポイント縮小。販売量指数は8.6%下落、

 前年同時期の小売業販売額の比較では、化粧品・衛生用品が38.5%、自動車用燃料が33.8%、成人ファッションが29.7%のそれぞれ大幅減だった一方、革製品は19.7%、自動車は5.1%のそれぞれ増だった。販売量指数については、化粧品・衛生用品が35.8%、薬局が24.2%、成人ファッションが22.2%のそれぞれ下落だったが、革製品は26.5%、通信設備は9.6%のそれぞれ上昇だった。

 また、昨年第3四半期(修正後数値)との比較における同年第4四半期の小売販売額は102.5%増。このうち、通信設備が293.0%、時計・宝飾品が248.4%、革製品が214.8%のそれぞれ顕著な増だったが、スーパーマーケットは8.1%、自動車用燃料は5.5%のそれぞれ下落。販売量指数についても同様で、通信設備、時計・宝飾品、革製品、革製品が299.3%、252.9%、218.8%のそれぞれ上昇、スーパーマーケット商品、自動車用燃料は8.1%、6.5%のそれぞれ下落。

 昨年通期の小売業販売総額は前年同時期から41.5%減の451.9億マカオパタカ(約5963億円)、販売量指数は40.2%下落。

 今年第1四半期の販売量の見通しについて、調査対象となった小売店の55.3%が前年同期から減少、37.2%が変わらず、7.5%が増加見込みと回答。また、商品の販売価格については66.2%が据え置き、26.8%が下落、7.0%が上昇見込みとした。このほか、昨年第4四半期と比較した今年第1四半期の経営状況については、49.6%が悪化、42.4%が安定継続、8.0%が理想的との見通しを示した。

マカオの著名観光スポットのひとつ、世界遺産・セナド広場の様子(資料)=2020年10月6日本紙撮影

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