マカオの2020年通期のMICE開催件数76%減…新型コロナの影響深刻

 マカオ政府統計調査局は2月26日、昨年第4四半期(2020年10〜12月)にマカオで開催されたMICE(会議・研修、インセンティブ活動、国際・学術会議、エキジビション)に関する統計を公表。

 昨年第4四半期のMICE開催件数は前年の同じ時期から314件減(68.1%減)の147件、参加・入場人数についても30.6%減の51.5万人(延べ、以下同)にとどまった。

 マイナス要因として、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によるイベントの規模縮小、延期、中止が相次いだことが挙げられる。ただし、昨年第3四半期との比較では、MICE開催件数が2.3倍増(84件増)、参加・入場者数は73.3%増だった。マカオと中国本土の状況が早期に落ち着き、昨年7月中旬から両地の間の往来制限が段階的に緩和されてきたことを受け、昨年第3四半期以降に回復傾向がうかがえる。

 昨年第4四半期のコンベンション(会議)の開催件数は304件減の128件、参加者数は82.8%減の1.6万人。このうち、4時間以下の会議が79件で、参加者数は7151人。会議全体の平均開催期間は前年同時期から0.6日短い0.9日、使用会場総面積は80.8%縮小の8.8万平米。

 エキジビションは2件減の19件。民間主催に限ると6件減の13件、入場者数は27.4%減の38.0万人。エキジビション全体の平均開催期間は前年同時期から0.1日短い3.4日、使用会場総面積は8.2%縮小の18.3万平米。

 なお、インセンティブ活動は3四半期連続でゼロだった。

2020年第4四半期に開催されたエキジビション「第8回マカオ国際観光(産業)エキスポ(MITE)」(資料)=2020年11月(写真:MGTO)

 昨年第4四半期に開催された19件のエキジビションの主催者提供資料によれば、収入合計は3929万マカオパタカ(日本円換算:約5.2億円)、支出合計は1.2億マカオパタカ(約15.8億円)。民間主催のエキジビション13件に限った収入は3650万マカオパタカ(約4.8億円)で、政府及びその他機関による補助金が72.7%を占めた。支出については設営費が36.7%。民間主催のエキジビションの収入から支出と政府及びその他機関による補助を除いた収支は3222万マカオパタカ(約4.2億円)の赤字だった。

 昨年第4四半期のエキジビション出展社数は2496で、内訳は地元マカオからが61.3%、中国本土からが31.4%だった。来訪バイヤーは2.4万人で、マカオからが57.2%、中国本土からが40.8%。1237の出展者から回答を得たアンケート調査結果によれば、収入の88.1%が商品販売によるもので、支出の52.9%をブース賃料、22.0%をブース設営費が占めたという。

 昨年通期のMICE開催件数は前年から1174件減(76.4%減)の362件、参加・入場人数は54.6%減の91.4万人。コンベンション(会議)の開催件数は1133件減の326件、参加者数は86.7%減の3.9万人。エキジビションは24件減の34件、入場者数は48.5%減の87.5万人。インセンティブ活動は17件減の2件、参加者数は97.3%減の604人。

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