マカオの統合型リゾート建設現場で古砲が見つかる…昨年11月に続き二度目、文化局が学術調査へ

 マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「ギャラクシーマカオ」第4フェーズの建設現場で3月1日、古い大砲2門が見つかった。考古学的価値の高い遺物とみられる。

 この建設現場では、昨年11月にも古砲1門が見つかっており、今回が二度目となる。

 マカオ政府文化局(ICM)が発見場所の測量調査などを実施。同局によれば、サイズは第1門が長さ約1.08メートル、口径約60ミリメートル、第2門は長さ約1.3メートル、口径約60ミリメートルで、砲口部に木製とものとみられる蓋が付いていたとのこと。

 発見現場周辺の捜索も行われたが、その他の遺物は見つからなかったという。ICMでは、学術調査及び研究を行うため、この古砲2門を博物館の倉庫へ搬入済みとした。

 発見現場一帯のコタイ地区は21世紀に入って以降に造成された新興埋立地で、かつては海域だった。マカオは1999年12月20日に中国へ返還されるまで、およそ4世紀にわたってポルトガルの統治下にあった。今回見つかった大砲の年代は今後の調査によって明らかになると見られるが、ポルトガル軍が沿岸部に設置したもの、もしくはポルトガルの軍艦が遺棄したものなどの可能性がある。

古砲発見現場周辺における調査の様子=マカオ・コタイ地区のギャラクシーマカオ第4フェーズ建設現場(写真:ICM)

 マカオでは、ギャラクシーマカオ建設現場以外でも、昨年4月にかつてのマカオの主要な海の玄関口だったマカオ半島の内港エリアの道路工事現場(下水管整備事業)から古砲1門(長さ約1メートル)が見つかっている。こちらは学術研究資料の初稿が発表されており、埋蔵時期は1889年から1933年の間で、マカオで製造されたものではなく、軍事上の移転または貿易を通じて外地からマカオへ運搬された可能性があるとのこと。また、古砲の質感、形状、局所構造等の特徴がマカオ各地の砲台に現存する19世紀中期に英国で製造されたブロームフィールドフロントガンと相似しているとし、売買のため内港一帯に置かれていたものが、後の周辺の埋立造成時に埋められたとみられるとした。

 ICMでは、相次いで発見された古砲について、修復作業と関連調査の準備が整い次第、一般公開を行う予定としている。

マカオ・コタイ地区のギャラクシーマカオ第4フェーズ建設現場から見つかった古砲(写真:ICM)

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