香港、3/13の新型コロナ新規感染確認数47人…フィットネスセンターのクラスター大規模化

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が始まった。

 2月中旬にかけて感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にあったが、同月下旬以降は複数の大規模集団感染(クラスター)に端を発する明確な感染者増が見受けられ、一時的なリバウンドで落ち着くのか、第5波に移行するのか、大きな注目が集まっている。

 香港政府の発表によれば、3月13日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から13人減の47人だった。内訳は市中感染が11人減の43人、輸入性が2人減の4人。市中感染のうち感染経路不明は1人減の4人で、14日連続で1桁台を維持している。翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)については10人超とのこと。

 この日の新規感染者のうち35人が近日認知された香港島の西營盤地区にあるフィットネスセンター「Ursus Fitness」におけるクラスター事案に絡むもの。このフィットネス施設関連の感染確認者の合計は99人(スタッフ7人、利用客75人、密接接触者17人)に上っている。香港衛生当局によれば、一部の感染確認者及び初期感染確認者が別のフィットネスセンターを訪れたことも判明したという。

 ここまでの香港における累計感染確認数は1万1258人、退院者数は1万0738人、死者数は203人。

 香港では、2月26日から新型コロナワクチンの接種計画がスタート。目下、高リスク群を対象とした接種が進められているが、3月9日から対象範囲が拡大された(*別記資料参照)。中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナワクチンに加え、9日からはドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」の接種もスタートしている。いずれも2回接種が必要とされるもの。香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が13日にSNSサイト上で発表した文書によれば、12日夜までに一回目の接種を終えた市民の数は16万2100人で、16歳以上の香港居民の約2.5%にあたるという。いち早く接種を受けたいとする市民からの要望を受け、接種対象の拡大を検討中とした。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

【資料】3月9日から新たに優先接種グループに加わったカテゴリー
・飲食店、市場、スーパーマーケット、コンビニエンス・ストア、配達業者(含むフード・デリバリー)の関係者
・交通機関の職員(タクシー、バス、駅員等)
・建設業関係者
・施設管理の関係者(警備員、清掃員等)
・学校教職員(幼稚園、小・中学校、大学、特別学校、スクール・バス運転手等)
・観光業関係者
・飲食店等各種施設に対する規制に関する規則(香港法令第599F章)に関連する施設の従業員(フィットネスセンター、エステティックサロン等)
*2月26日から優先接種グループに指定されているカテゴリーは保健医療及び感染症対策業務の従事者、60歳以上、老人ホーム及び障害者施設の入居者と従業員、越境運輸及び港湾業務の従事者等

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