香港、3/16の新型コロナ新規感染確認数18人…市中感染13人中感染経路不明は2人

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が始まった。

 2月中旬にかけて感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にあったが、同月下旬以降は複数の大規模集団感染(クラスター)に端を発する明確な感染者増が見受けられ、一時的なリバウンドで落ち着くのか、第5波に移行するのか、大きな注目が集まっている。

 香港政府の発表によれば、3月16日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から12人減の18人だった。内訳は市中感染が3人減の13人、輸入性が9人減の5人。市中感染のうち感染経路不明は1人増の2人で、2日連続で1桁台。

 感染経路不明のうち1人は在香港米国総領事館員の女性で、15日にセントラル地区の複数箇所で実施された局地ロックダウンによる強制検査を経て発覚したもの。最後の出勤日は12日で、無症状という。この女性の配偶者で同じく在香港米高総領事館員の男性も感染確認されている。

 過去14日間累計では、新規感染確認が292人で、その約78%を占める市中感染228人のうち感染経路不明は57人。ここまでの香港における累計感染確認数は1万1330人、退院者数は1万0769人、死者数は203人。

 香港では、2月26日から保健医療及び感染症対策業務の従事者、60歳以上、老人ホーム及び障害者施設の入居者と従業員、越境運輸及び港湾業務の従事者等の高リスク群を対象として新型コロナワクチンの接種計画がスタート。その後、3月9日から対象範囲が飲食店、市場、スーパー、交通機関職員、建設業関係者、学校教職員、観光業関係者などに拡大されたほか、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナワクチンに加え、ドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」の接種もスタートしている。いずれも2回接種が必要とされるもの。16日から接種対象が再拡大され、新たに30〜59歳、香港以外で就学する16歳以上の学生、ホームヘルパーが加わり、対象者数は総人口の約8割となる500万人超に達する見込み。

 香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は16日午前、行政会議出席前に記者会見に臨んだ際、香港では新型コロナワクチンが充足しており、関連インフラも整っているとし、市民に対して自分自身、家族、地域コミュニティを保護するため、早く接種予約をするよう呼びかけた。

香港島・セントラルエリアの局地ロックダウンに設置された仮設ウイルス検査場の受付の様子=2021年3月14日(写真:news.gov.hk)

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