香港、3/19の新型コロナ新規感染確認数13人…市中感染10人中感染経路不明は4人=フィットネスクラスターは累計138人に

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府の発表によれば、3月19日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から3人増の13人だった。内訳は市中感染が4人増の10人で3日ぶりの2桁台、輸入性は1人減の3人。市中感染のうち感染経路不明は1人増の4人で、5日連続で1桁台を維持した。翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)については10人超とのこと。

 この日の新規感染者のうち3人が近日認知された香港島の西營盤地区にあるフィットネスセンター「Ursus Fitness」におけるクラスター事案に絡むもの(利用客1人、密接接触者2人)。このフィットネスセンター関連の感染確認者の累計は138人となった。

 香港衛生当局では、感染経路不明が4人いたことについて、決して少ない数字ではないとの見方を示した上、市中にスーパースプレッダーや無症状感染者が存在するかどうかは断定できないが、おそらく一部当局が追いきれていないものがあるのは確かとし、今後もフィットネス事案のような大規模クラスターが再出現する可能性もあり得るとした。

 大規模クラスターの発生を受け、近日は特定のビル(マンション)や区画を封鎖する局地ロックダウン手法を用いた強制検査が頻繁に実施されている。飲食店における深夜時間帯のイートイン禁止や1卓あたりの同席者を4人までに制限するソーシャルディスタンス措置、屋内外公共場所及び交通機関利用時のマスク着用義務、公共の場所での集まりを4人までとする集団制限措置についても3月31日まで延長。また、屋内外のスポーツ施設、ジム、エステ・ネイルサロン、マッサージ店、娯楽施設(劇場、テーマパーク、博物館、展覧会場、映画館等)、遊技場(ビリヤード場、ボーリング場、スケート場)、ゲームセンターは3月31日まで条件付きで営業、サウナ、パーティールーム、ナイトクラブ、カラオケ、麻雀店、プールは通知があるまでの期間営業停止となっている。

 ここまでの香港における累計感染確認数は1万1364人、退院者数は1万0837人、死者数は203人。

 香港では、2月26日から保健医療及び感染症対策業務の従事者、60歳以上、老人ホーム及び障害者施設の入居者と従業員、越境運輸及び港湾業務の従事者等の高リスク群を対象として新型コロナワクチンの接種計画がスタート。その後、3月9日から対象範囲が飲食店、市場、スーパー、交通機関職員、建設業関係者、学校教職員、観光業関係者などに拡大されたほか、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナワクチンに加え、ドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」の接種もスタートしている。いずれも2回接種が必要とされるもの。16日から接種対象が再拡大され、新たに30〜59歳、香港以外で就学する16歳以上の学生、ホームヘルパーが加わり、対象者数は総人口の約8割となる500万人超に達している。

 このほか、香港政府は19日、隔離検疫用の指定ホテルリストを更新。3回目の更新となり、全30軒中29軒が2回目と同様で、新たに加わったのは1軒のみ。供給客室数は8300室で、契約期間は3月21日から6月19日までとのこと。第2回のリストと比較して1泊500香港ドル(日本円換算:約7000円)以下の客室を選べるホテルが11軒から13軒に増え、供給客室数の約34%にあたる2800室超という。また、1000香港ドル(約1万4000円)以下は約84%の約7000室。

香港島・西營盤の局地ロックダウン対象区域内におけるウイルス検査受検有無確認作業の様子=2021年3月18日(写真:news.gov.hk)

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