香港、3日ぶりに新型コロナ市中感染確認…感染経路不明の大学生1人=3/29

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府の発表によれば、3月29日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から7人増の8人だった。このうち7人がフィリピンなど海外からの入境者で、輸入性のもの。市中感染は3日ぶりに1人確認され、感染経路不明とのこと。

 唯一の市中感染例となったのは、バプティスト大学に通う22歳の学生。3月25日に鼻水が出る症状が現れ、翌26日に新型コロナウイルス検査を受検。直近で授業に出席したのは3月22日という。香港衛生当局は学生が暮らす香港島・小西灣のマンション、富景花園第七座を強制検査対象とし、全住民に対するウイルス検査を実施する。

なお、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)が約5人いるが、大部分が輸入性とのこと。

 ここまでの香港における累計感染確認数は1万1455人、退院者数は1万1040人、死者数は205人。 

 香港では第4波下、流行状況が落ち着いた状況でホリデーシーズンを迎えた後にリバウンドが繰り返し発生している。まもなくイースターホリデーを迎えることから、再びリバウンドするか、終息に向かうかに注目が集まっている。

 香港衛生当局はこの日の会見の中で、依然として流行は終息しておらず、市中に存在する無症状感染者が感染を拡大させていると指摘し、市民に対して警戒を維持するよう呼びかけた。

 なお、飲食店における深夜時間帯のイートイン禁止や1卓あたりの同席者を4人までに制限するソーシャルディスタンス措置、屋内外公共場所及び交通機関利用時のマスク着用義務、公共の場所での集まりを4人までとする集団制限措置、屋内外のスポーツ施設、ジム、エステ・ネイルサロン、マッサージ店、娯楽施設(劇場、テーマパーク、博物館、展覧会場、映画館等)、遊技場(ビリヤード場、ボーリング場、スケート場)、ゲームセンターは条件付きで営業、サウナ、パーティールーム、ナイトクラブ、カラオケ、麻雀店、プールは通知があるまでの期間営業停止といった防疫策が講じられている。期限は3月31日までだが、香港政府は29日、4月1日以降も大部分について延長するが、スイミングプールの再開を認め、劇場、パフォーマンスベニュー、テーマパークの入場者数の上限を緩和することなどを発表。また、本来昨年11月開始予定だったが、第4波によって延期となっていたシンガポールとの「トラベルバブル」について協議を再開したこと、同様のスキームを日本や韓国などにも打診する考えを明らかにした。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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